勝川春章「桜下詠歌の図」(太田記念美術館蔵/前期展示)

太田記念美術館は2日~8月25日、「江戸の美男子 - 若衆・二枚目・伊達男」展を開催する。

男性を描いた作品に焦点を当て、理想とされた男性像の変遷をたどる

歌舞妓堂艶鏡「三代目市川八百蔵の梅王丸」(太田記念美術館蔵/後期展示)

これまで浮世絵の美人画については、様々な見地から研究されきている一方で、男性像に絞った考察はまだ十分には行われていないという。しかし美人画と同様、画中の男性像にも、江戸時代の人々の理想や美意識が反映されている。同展は、「男性はいかに描かれたのか」とする視点から、江戸時代文化の諸相へアプローチする初の試みとなる。

浮世絵といえば美しい女性たちを描く美人画ばかりが注目されるが、実は、見目麗しい美少年や二枚目の歌舞伎役者、あるいは粋でいなせな伊達男など、美しくてカッコいい男性たちも頻繁に描かれている。手がける絵師も鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川国芳などの主要絵師をはじめ、多数にのぼる。

同展では、男性を描いた作品に焦点を当て、理想とされた男性像の変遷をたどる。これら浮世絵に登場する男性像を通して、江戸時代の人々の美意識に新たな側面から触れる機会となる。

会期は、前期が7月2日~28日、後期は8月1日~25日 10時30分~17時30分(入館は17時まで)。前後期で展示替えを行う。7月8日、16日、22日、29~31日、8月5日、12日、19日は休館となる。会場は、太田記念美術館(東京都渋谷区神宮前1-10-10)。入館料は、一般700円 、大高生500円、中学生以下は無料。

また、7月3日、6日、9日、8月1日、4日、9日には、同展の担当学芸員によるスライド・トークを開催、同展の見どころを案内する。各日14時より40分程度。申し込み不要で、参加無料(要入場券)。