博報堂は7月1日、「生活者共創型コミュニティメディア」を運営する新会社「VoiceVision」を設立した。新会社の代表取締役社長は大高香世氏、資本金は2,500万円、社員は4名。
博報堂は2011年10月、生活者共創型の未来創りコミュニティ「VoiceVisionβ版」を開設。このたび"共創"に向けた新たな手法の確立と、クライアント企業に向けて本格的にサービスを提供できる体制が整ったため、独立した事業会社として「VoiceVision」を設立したという。
新会社では、オンラインとオフラインを通じたコミュニティにより、リサーチから商品開発といったアイディア企画とプロモーションまでを、ワンストップで実現するフレームワークを提供。従来のリサーチや商品開発などのマーケティング活動は、企業内で秘密裏に行うクローズドな活動がほとんどだったが、新会社では戦略的にオープンな活動にすることで誰もが自由に参加・発言できる場を作り、数千~数万人の参加者を促す。これにより、発売前からファンを育成し、発売時には既にファンがいる状態を生み出す方式を開発したとしている。
また、ソーシャルメディアでの拡散を計算した情報設計により、コミュニティの認知を数10万人の単位で届けることを可能とし、コミュニティ自体がメディアとなり、プロモーションの場となって広めていく。これらを総称して「コミュニティメディア」として、生活者の声を聞き、新しい需要やアイディア創出を目指す企業や官公庁に向けてサービス提供を行うという。
同事業最大の強みは、トレーニングを積んだ専門のファシリテーターが参加者全員の発言に返答し、参加者間の相互作用を引き出しながらディスカッションを進める「ファシリテーションクリエイティブ」というオリジナル技術を導入したこと。同技術は、生活者の中で潜在的に埋もれている価値を発掘する「引き出し力」と、引き出した声を解釈して新しいアイディアを創出する「生み出し力」によって構成されており、「単なるリサーチを超えた新しい価値の発掘を可能にしている」(博報堂)。
また、新会社のファシリテーターは、全員マーケティング経験を持つプランナーによって構成されており、質の高いファシリテーションを提供するとしている。
なお、8月28日にはクライアント向け社外セミナー「未来のニーズを見つけ出す"生活者共創型"の新商品開発メソッド~VoiceVision」を開催する予定。会場は博報堂セミナールーム(東京都港区赤坂5-3-1赤坂サカス内Bizタワー)、時間は15:30~17:30(15:00受付開始)。定員は50名で、料金は無料。申し込みは同社Webサイトまで。