ウィラー・グループは27日、都内で高速バス商品発表会を行い、「WILLER EXPRESS」を高速路線バスとして運行開始すると発表した。あわせて新サービスも発表され、「スターファイター」などの車両も展示された。

発表会の会場に「スターファイター」も登場!

「ピンクのバス停」を囲んでのフォトセッション

「ピンクのバス停」が目印、高速路線バスでの運行は7月31日から

「WILLER EXPRESS」は7月31日、高速ツアーバスから高速路線バスへ生まれ変わる。ウィラー・グループ代表、村瀬茂高氏は、「関越自動車道の事故やLCCの台頭によって、バス業界全体が大きな転換期を迎えようとしています。私たちはこれを、大きなチャレンジの機会と考えています。これまでツアーバス事業者として、次々に新しい商品を生み出し、業界にイノベーションを起こしてきました。これを『INNOVATION 1.0』とするならば、7月31日以降のさまざまな取組みは『INNOVATION 2.0』といえるでしょう」と述べた。

高速路線バス「WILLER EXPRESS」は、さらなる安全強化をめざし、これまでの子会社3社体制から、全国の運行エリアごとに新たに7社を設立して10社12営業所体制に。ピンクのバス163両と約400名の乗務員で、毎日22路線、201便を運行する。全国88カ所にバス停が登場し、オリジナルデザインの「ピンクのバス停」が44カ所に設置されるという。

「ピンクのバス停」。夜になると「W」の文字と側面が光る

東京・横浜エリアでは、「WILLERバスターミナル新宿西口」など7カ所に加え、川崎駅前やとうきょうスカイツリー駅前にも乗降場所を増設。川崎駅バス停留所は「ラ チッタデッラ」に隣接して設置され、1日39便が発着する。東京・品川方面や横浜方面、羽田空港方面へのアクセスが良好な川崎発着の高速バスを運行させることで、川崎市周辺からの利便性向上や経済活性化への貢献も期待されている。なお、川崎発着のバス予約者への特典として、「ラ チッタデッラ」で利用可能な割引サービスも用意しているとのこと。

大阪エリアでは、「WILLERバスターミナル大阪梅田」のある梅田スカイビル(大阪駅から徒歩約10分)に、「WILLER EXPRESS CAFE」が8月1日オープン。営業時間は6時30分から23時30分まで。深夜のバスに乗車する前や、夜行バスで早朝に下車した後など、バス利用者が旅の途中で気軽に利用できる空間となり、軽食メニューも提供する。

安くて安全なバスを改めて追求し、新たな運賃体系「スマートプライス」も導入。その第1弾として、8月下旬から「予約順割引」がスタートする。たとえば基本運賃が5,000円で、「予約順割引」を受けられる利用者が10人と設定された場合、最初に予約した利用者は基本運賃から20%引きの4,000円に。2人目は4,100円、3人目は4,200円と徐々に運賃が上がるものの、11人目以降は全員、基本運賃の5,000円になるという。その他にも、「間際割」や「回数券」、訪日外国人旅行者に向けた「Japan Bus Pass」などが用意される。

移動ポータルサイトを運営する「WILLER TRAVEL」では、共通ポイントサービス「Ponta」(ポンタ)を運営するロイヤリティ マーケティングとも提携。「WILLER EXPRESS」を予約・利用する際、200円につき1Pontaポイントが加算されるサービスも開始する。サービスキャラクター「ポンタ」がバス全面にデザインされた「Ponta EXPRESS」も7月31日から運行されるとのこと。発表会では「ポンタ」も登壇した。

「Ponta」のサービスキャラクター「ポンタ」が登場

「WILLER EXPRESS CAFE」の軽食メニューも会場に

「WILLER EXPRESS」が高速路線バスとして運行開始するのに合わせ、乗務員のユニフォームも一新される。青山商事が製造に携っており、ピンクをアクセントに取り入れたスタイリッシュなユニフォームに。ストレッチ素材を使うなど、運転しやすく安全性も考慮されたデザインになっているという。

利用者が驚くようなバス事業で、「業界を活性化するイノベーター」に

発表会にて、村瀬氏は安全強化の取組みにも言及した。安全運行協議会や運輸監査部の設置に加え、道路交通安全活動の国際マネジメントシステム規格「ISO 39001」を7月末までに取得予定とのこと。

高速路線バス運行開始にあたっての新サービスが充実し、安全強化の取組みについても説明があったことから、村瀬氏のプレゼンは40分以上に及んだ。最後に同氏は、「ツアーバスから路線バスに変わっても、『WILLER EXPRESS』の志や理念に変わりはありません。得意分野であるIT技術やウェブマーケティングを駆使し、今後も利用者が驚くようなバス事業、サービス事業を展開します。これからも業界全体を活性化するイノベーターとして尽力したい」と述べ、プレゼンを締めくくった。

なお、高速路線バス「WILLER EXPRESS」の利用者数に関して、初年度は年間200万人、5年後には年間400万人を目標に掲げている。