経済産業省は28日、2013年5月の鉄工業指数(速報、季節調整済)を発表した。それによると、5月の鉄工業生産指数(2010年=100)は前月比2.0%増の97.8となり、4カ月連続で上昇した。なお、前年同月比では1.0%の下落となった。同省は基調判断を「生産は緩やかな持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
生産の上昇に寄与した業種は、はん用・生産用・業務用機械工業が前月比7.6%増、電気機械工業が同6.1%増、化学工業(医薬品除く)が同2.2%増などとなった。品目別に見ると、蒸気タービン部品、ボイラ部品、水管ボイラの順に上昇に寄与した。
一方、前月から下落した業種は、輸送機械工業が前月比3.4%減、おう版印刷(グラビア印刷)などのその他工業が同0.8%減、鉄鋼業が同0.7%減となった。
出荷指数は前月比0.8%増の96.6となり、3カ月ぶりに上昇(前年同月比は2.3%減)した。出荷の上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業が前月比6.9%増、石油・石炭製品工業が同5.2%増、電気機械工業同4.2%増など。反対に前月から下落した業種は、輸送機械工業が同5.3%減、化学工業(医薬品除く)が同0.5%減、その他工業が同1.0%減、プラスチック製品工業が同0.2%減となった。
在庫指数は前月比0.3%減の107.1となり、2カ月ぶりの下落(前年同月比は2.7%減)。在庫の低下に寄与した業種は、石油・石炭製品工業が前月比9.5%減、電子部品・デバイス工業が同5.6%減、パルプ・紙・紙加工品工業が同4.1%減など。一方、上昇した業種は、機械輸送工業が同5.7%増、はん用・生産用・業務用機械工業が同2.4%増、情報通信機械工業が同5.5%増などとなった。
製品の需要状況を示す在庫率は、前月比2.1%減の104.9となり、2カ月連続で下落した(前年同月比は5.1%減)。
併せて発表した製造工業生産予測調査では、6月は前月比2.4%の下落、7月は同3.3%の上昇と予測。6月の下落は、輸送機械工業、はん用・生産用・業務用機械工業、その他など、7月の上昇は、はん用・生産用・業務用機械工業、輸送機械工業、その他等による。