トレンド総研はこのほど、「乳幼児の熱中症」に関する調査結果を公表した。
同調査は、「乳幼児の熱中症」について、対策のポイントや対策実施への意識・実態に関するもの。アンケート調査は、4日から7日にかけて、全国の0歳から3歳の長子を持つ25歳から44歳の女性500名を対象に、インターネット調査で実施した。また、小児科医の辻祐一郎氏に「実態と対策」を聞いた。
熱中症とベビーカーの関連、ママには情報不足?
「熱中症に関する情報が十分にあると思いますか?」と尋ねると、「あると思う」という人は62%にとどまった。母親たちのおよそ4割は、情報が不十分であると感じていることが分かった。
「今夏、行うつもりの子供の熱中症対策」を複数回答形式で聞いたところ、「水分を多めに摂らせる」が1位で90%となった。以下「帽子を利用する」(86%)、「子供用の飲料を携帯する」(81%)、「エアコンで室温管理を行う」(73%)と続いた。一方で、「ベビーカーで熱中症対策をする」は、わずか14%となった。ベビーカーにおける熱中症対策について、母親たちは知らないことが考えられる結果となった。
「ベビーカーを選んだ時の基準」を複数回答形式で聞いたところ、「安全性」(74%)、「価格」(66%)、「押しやすさ」(58%)、「丈夫さ・耐久性」(58%)、「軽さ」(58%)が上位となり、しっかりとした作りや扱いやすさが重要視されている結果となった。一方、熱中症対策に関連する「日よけの機能」(37%)、「通気性」(24%)、「シートの高さ」(19%)、「洗濯のしやすさ」(5%)については、いずれも低い結果となった。
専門医による熱中症対策に大事な3つのポイント
小児科医の辻祐一郎氏によると、特に0歳~3歳の乳幼児は、発汗機能すなわち体温の調節機能が未熟であるとのこと。そのため、環境温度による影響を受けやすく、熱中症になりやすい。しゃべるのが極端に少なくなる、動きが少なくなる、顔色が悪くなる、目の動きがトローンとしてくるなど、体の不調を訴えるサインを見逃さないことが重要としている。
さらに、乳幼児の熱中症対策として3つのポイントをあげている。1つ目は「外出前の水分補給」。乳幼児は、体内の水分バランスが崩れた時に、取り戻すのに長い時間を要するため、あらかじめの水分補給が必要。2つ目は「ベビーカーによる対策」。直射日光を防ぐカバー、ふく射熱に対応したハイシート、熱がこもらない通気性、清潔に保つために洗濯可能か、などが重要ポイント。3つ目は「乳幼児のサインを見逃さない」。外出中、30分~1時間に1度は抱き上げてあげ、その様子を確認することが必要としている。