JR東海は27日、東海道新幹線トンネル内の検査に用いる「トンネル覆工撮影車」に搭載している撮影装置を入れ替えると発表した。より性能の向上した装置へ更新し、安全性や検査効率の向上を図る。

JR東海のトンネル覆工撮影車

トンネル内での覆工撮影の様子

トンネル覆工撮影車は、走行しながらトンネル内部を撮影する車両。2001年に導入され、2年に1回の頻度でトンネル覆工表面を全断面、全線にわたり写真撮影。撮影した画像は事務所内で過去の画像と照らし合わせ、ひび割れなどの発生の有無や進み具合を検査している。

今回の入替えは、トンネル覆工撮影車の導入から12年が経過したことを受けて、より性能の向上した装置への更新を行うもの。現在3,000画素のカメラを900万画素へと大幅に高解像度化するとともに、撮影時に使用する照明の明るさを2万5,000ルクスから3万ルクスへ向上。これにより、従来1mm程度のひび割れまで確認できたものが、0.5mm程度の微細なひび割れ幅でも鮮明に確認できるようになるという。

現在は撮影したデータを過去のデータと並べて確認しているが、今後は画面上で過去の同一箇所の撮影画像と重ね合わせることが可能に。ひび割れなどの新たな発生の有無や進み具合を、ひと目で確認できるという。さらに、現在はトンネル内の片線ずつしか撮影できないが、撮影装置更新後は撮影できる範囲を広げ、上下線を同時に撮影することで検査効率も向上するとのこと。入替えにかかる投資額は約2億円。導入予定時期は2014年2月としている。