PHP研究所はこのほど、齋藤孝著、PHP新書「若者の取扱説明書」を刊行した。
若者の傾向を逆手にとった効果抜群な指導法満載
真面目だが消極的で反応がうすく、「どうにか無難にやり過ごしたい」という考え方が主流だと言われる「ゆとり世代」。同書では、「若者たちは覇気がなく、どう指導していいのかわからない」という悩みを解消し、若者を伸ばすメソッドを公開している。
著者の齋藤孝氏は、若者の教育に20年以上携わり、現在明治大学で教鞭をとる。ゆとり世代を目の当たりにした当初は、失望しかけたこともあったとのことだが、彼らの「自分だけ取り残されたくない」という感情をうまく使って力を引き出す「逆手指導ステップ」を編み出すことで、当初の失望を希望に転換したという。
ゆとり世代がいちばん恐れるのは、「自分だけやっていない」こと。同書では、必ず全員にやらせることをポイントとした、ゆとり世代向けの「逆手指導ステップ」を公開している。「注意するときは"肯定"~"アドバイス"~"肯定"」「本音を知りたければ紙に書かせる」「腹を割って話す必要はない」など、若者とうまくコミュニケーションをとって成長させるための「現場の知恵」が紹介されている。最終章には、「若者たち自身が考える、若者のトリセツ」も収録。若者たちの本音もわかる内容となっている。
齋藤氏「本書では、ゆとり教育を受けた世代をはじめ、それ以降の若者たちに対していたずらにネガティブな先入見を持つことなく、かといって"若者はいつの時代も同じ"という適当な見解でお茶を濁すのでもなく、傾向を見定めた上で有効な接し方の対策を提案した」(「あとがき」より抜粋)
構成・目次は、第1章「コツを掴めば、今の若者は驚くほど伸びる」。第2章「若者たちは意外にがんばれる」。第3章「日本の組織には、"褒めコメ"が足りない」。第4章「若者との"異文化"コミュニケーション術」。第5章「タイプ別"困った若者"の処方箋」。第6章「若者たち自身が考える、若者のトリセツ」となる。
判型は、新書判並製。本体・定価760円(税別)。