農業に興味を持つにあたり、影響を受けたものは?

パルシステム生活協同組合連合会は、農業に興味がある学生の実態を調査するため、15歳~22歳の農業やその周辺産業に関わる仕事や職業に興味がある学生を対象にモバイルリサーチを実施した。調査は5月22日~28日にかけて行われ、1,000名の有効サンプルを得た。

影響を受けたものは「テレビ番組」がトップ

まず、農業に興味を持つにあたり、影響を受けたものについて聞いた。1位は「テレビ番組」(37.6%)、2位は「実際の体験」(36.4%)、3位は「学校の授業」(27.7%)となっている。2012年5月の調査で1位だった「実際の体験」を「テレビ番組」が追い抜いた。また、影響力を増したのは、「アニメ・漫画」(3.9ポイント増加)だったという。

影響を受けたもの1位の「テレビ番組」で具体的な番組名を尋ねたところ、最多回答は「ザ!鉄腕!DASH!!」(75件)だった。また、アニメ・漫画に影響を受けた人にも具体的なタイトルを聞くと、1位は「銀の匙(さじ)Silver Spoon」(71件)、ゲームに影響を受けた人が多く回答したタイトルは「牧場物語」(57件)だった。

「農業に関わる仕事に就業したい」は3割以下

続いて、農業に関わる仕事へ就職したいと思うか質問したところ、「就職したい」と回答した人(「就職したい」と「どちらかといえば就職したい」の合計)は27.5%だった。

「就職したくない」と回答した人に、どのような環境や支援があれば農業に関わる仕事への就職を検討するか尋ねたところ、59.4%が「安定した収入が見込めれば」と回答。「必要な技術や経営の指導があれば」(34.8%)。「高収入が見込めれば」(34.1%)といった意見も多かった。

TPP参加に不安。参加するなら就農意向は低下

日本の農業の将来について不安に感じることを複数回答形式で質問したところ、「後継者問題(人手不足)」(64.5%)がトップ。次いで「食料自給率の低下」が60.8%、「農業従事者の高齢化」が51.3%、「TPPへの参加」が48.2%。TPPへの参加は半数近くが不安に感じているようだ。

そこで、就農意向のある学生(275名)に対し、TPPに参加した場合の就農意向の変化を聞いたところ、73.4%が「弱まる」と回答した(「就職したいという気持ちは弱まる」22.5%と「就職したいという気持ちはやや弱まる」50.9%の計)。TPP参加の場合、就農意向のある学生の4人に3人が就農意欲を低下させることが明らかとなった。