美術を鑑賞する力や、社会や人々に美術をPRする力があるかどうか試されるのが「美術検定」です。美術の魅力をたくさんの人とわかちあいたい、伝えたい、そんな仕事をしてみたいという方ならば、受けておいて損なしといえるかもしれません。

■美術検定って、どんな資格なの?

美術検定は美術の知識や情報をもとに多くの人をナビゲートし、作品への感動や美術観察力を深めてもらえるような役割ができるかどうかを判断する検定です。

生涯学習として美術の知識や教養を高めたいという方や、アートイベントに関わる仕事をしている方、展覧会の企画に関わる仕事をしている方、美術関連機関のスタッフなど、一般の方から美術関連の仕事についている方まで、様々な方が資格を活用しています。

■勉強期間はどのくらい必要?

4級であれば1カ月以上、3級であれば3カ月以上を勉強期間の目安にしておけば、十分合格ラインに達することができるようです。

2級、1級は専門的な知識に加えて、美術の社会的な役割などについて、自分なりの考え方や論理的な思考などが求められるため、勉強時間を確保すると同時に日頃から美術活動を行うなどして、独自の美術への取り組み、考え方などを深めておく必要があります。

■試験内容は?

4級、3級はマークシート方式。2級はマークシート方式にプラス穴埋め問題があります。1級は記述式問題のみの出題です。

4級では西洋美術・日本美術の代表的な作品や作家などが中心の問題になっており、3級では4級で問われる内容の他に、美術の動向、形式、時代背景や歴史的な流れも踏まえた問題になっています。2級では美術の基本的な知識だけではなく、建築工芸や写真、現代美術、美術鑑賞をする場の役割や機能など幅広い知識が求められ、1級では2級で問われる内容をもとに、自分らしい美術鑑賞のアイデアや実践的な能力などが問われます。

■問題の出題範囲は?

4級では中学レベルの歴史教科書に掲載されている歴史文化財や、公式テキストの中から出題されます。3級、2級、1級については公式テキスト中心の出題範囲です。

4級では教科書レベルの問題ですが、3級になると絵画のモチーフや描かれた場所など、より専門的な内容が問われます。2級、1級では美術の歴史からだけではなく、現代美術や画材の知識、美術用語の知識など幅広い内容から問題が出題されます。

■美術検定の資格は、どんなときに使える?

美術検定の資格を就職活動や仕事に利用する方もいれば、生涯学習の一環として資格取得を目標に、勉強を楽しんでいる方もいます。受験者は主に女性で、年齢が高くなるほど男性の割合が増える傾向にあるようです。

就職活動では保育・教育にまつわる仕事に生かすために資格取得される方や、実際に資格を生かして美術館に常駐しアートナビゲーターとして活躍されている方もいます。美術に関わる仕事をしたい、また美術の知識や情報に詳しくなりたいという方にお勧めの資格です。

参考サイト:「美術検定」