京王電鉄は29日、太陽光発電設備など環境に配慮した設備13種類を組み合わせて活用する鉄道現業事務所「高幡不動乗務区・施設管理所」を、京王線高幡不動駅の同社敷地内に開設する。従来の施設と比べて約30%の省電力・節水が見込まれるという。
今回開設する事務所は、高幡不動駅の同社敷地内にあった高幡不動乗務区と施設管理所を統合し、新たに建設したもので、鉄骨造地上4階建て。太陽光発電設備で建物が日中使用する電力の一部をまかなうことで、CO2排出量を年間で約3.7トン削減。照明設備では太陽光に合わせてブラインドの羽根の角度を自動調節し、太陽光を室内天井に反射させる「省エネブラインド」や、トップライトによる自然採光で室内を照らすとともに、環境省エネ照明器具やLED照明の採用により消費電力を削減する。
空調設備では、換気の際に捨てられてしまう室内の暖かさや涼しさを再利用しながら換気することにより、冷暖房負荷を低減する「全熱交換換気設備」を採用。建物南側面に日ざしをさえぎる「再生木ルーバー」を取り付けるほか、壁面緑化や断熱塗装を行い、空調への負荷を低減する。遮熱・断熱効果のある高性能低放射ペアガラスの採用により、冷暖房用電力を年間で約65%削減する。給湯設備でもヒートポンプ式給湯設備と太陽熱温水器を併用することで、エネルギーを効率よく使用。節水にも配慮し、建物内のすべての便器を節水型として、洗浄水の使用を約70%削減するとしている。