最近では健康意識の向上とともに、運動や食事への関心も高くなってきています。特に食事に関しては、「食育」が提唱されるなど、健康で栄養バランスのよい食事に注目が集まっています。「家庭料理技能検定」は、まさしく健康的な家庭料理の作り方を学ぶことのできる検定試験です。

■家庭料理技能検定とは?

家庭料理技能検定とは、食生活に関する正しい知識を得ると同時に、味・見た目・栄養バランスの良い料理の作り方を学ぶことを目的とした検定試験です。また、飽食の時代と言われる現代ですが、何をどのくらい食べるのが適量なのかということを知り、身につけることも受験の狙いとしています。

「料検」とも呼ばれる家庭料理技能検定は、1963年に「女子栄養大学料理技術検定」として実施されて以来、40年以上の歴史を誇る信頼度の高い検定です。履歴書にも記載できるので、食品関連会社・調理関連職などへの就職の際は調理技術や知識の証明にもなります。検定試験で優秀な成績を修めた合格者には、文部科学大臣奨励賞、日本技能検定協会連合会会長賞、家庭料理技能検定会長賞などが贈られます。

■家庭料理技能検定の概要(※2013年現在のもの)

・実施スケジュール:毎年9月下旬~10月上旬

・試験会場
3・4級:全国約80会場

2級:東京・大阪

1級:東京

・試験内容
4級:実技試験(基礎実技・指定調理)、筆記試験(マークシート方式)

3級:実技試験(基礎実技・指定調理)、筆記試験(マークシート方式)

2級:実技試験(基礎実技・指定調理・献立調理)、筆記試験(マークシート方式)

1級:実技試験(基礎実技・指定調理・献立調理)、筆記試験(マークシート方式)

※1級は事前に出題される「食事計画」を作成し、試験当日に持参する。

参考:家庭料理技能検定 受検要項

■審査基準は?

4級では、基本的な切る・むく技術が問われ、正しく調味された一食分の献立を調理します。3級になると、材料の調理上の特性を理解した上での下ごしらえも審査されます。

2級ではさらにレベルアップし、高度な「切る・むく・魚や肉をおろす」技術を問われます。献立も食べる人の年齢・体調などを考慮したものを作ることが求められます。1級は材料の調理上の特性を生かした、高度な調理技術が問われます。献立も和・洋・中と多岐にわたり、技術だけでなく応用力も身についていることが必要です。

■資格を生かすには?

家庭料理技能検定は、その名のとおり、家庭料理を正しく作るための知識と技術を身につけることを目的としており、受験者の約半数が主婦というのもうなずけます。しかし1・2級になると、試験内容もハイレベルになり、合格すれば料理教室の講師なども夢ではありません。また、女子栄養大学では料検の資格が入試の加点対象になるので、受験前に取得しておくと受験に有利になります。