りゅうぎん総合研究所はこのほど、沖縄県内における2013年のプロ野球春季キャンプの経済効果についてまとめたものを発表した。それによると、2013年の経済効果は前年比2億9,800万円増の81億6,100万円となり、過去2番目に高かったことがわかった。
2013年3月に沖縄県内で春季キャンプを実施した国内プロ野球球団は、前年より1球団減って9球団。今年は、広島東洋カープが例年キャンプに使用している沖縄市営球場が、老朽化に伴う建て替え工事のため同球団がキャンプ地を変更したことから1球団少なかった。なお、9球団のうち5球団は前年同様に二軍のキャンプも実施している。
キャンプ期間中の観客数(オープン戦含む)は、前年比1万6,000人増の約29万3,000人で過去最高を記録。このうち、県外からの観客は約4万3,000人で前年より500人増えた。観客が増加した理由としては、好天に恵まれたことや沖縄県によるPR事業の効果などが考えられる。
キャンプの関連支出額を試算したところ、沖縄県外からの滞在者が使う宿泊費、飲食費、土産品(グッズなど)購入費や、受け入れ地の市町村が支出した練習施設などのインフラ整備費などを合わせた直接支出額は、前年比2億2,900万円増の53億9,800万円となった。内訳は、土産品・グッズ購入が12億1,100万円でトップ。以下、宿泊費が11億8,100万円、飲食費が11億6,500万円、交通費が7億4,100万円、娯楽・レジャーが4億7,700万円、練習施設等の整備費が2億100万円と続いた。
直接支出額のうち、沖縄県内の産業が直接影響を受けた直接効果は47億6,400万円。直接効果を受けた産業に原材料やサービスなどを提供している産業まで及んだ1次間接節波及効果は21億円。直接効果と1次間接波及効果で生じた雇用者の所得増加が生んだ2次間接波及効果は12億9,300万円。これらの合計81億6,100万円が沖縄県内における2013年のプロ野球春季キャンプの経済効果となる。
経済効果のうち、雇用者所得や企業の営業余剰等に当たる粗付加価値額は44億3,000万円で、このうち雇用者所得は21億4,400万円だった。
経済効果を球団別に見ると、前年に引き続き巨人がトップで17億1,600万円、次は阪神で16億6,700万円となった。
また、産業別に見たところ、最も多かったのは宿泊業で11億9,000万円。以下、製造業(主に土産品の製造や食品加工など)が11億4,500万円、飲食店が9億4,500万円、商業が8億9,800万円、運輸が6億2,000万円、その他の個人サービス業が6億100万円と続いた。