消費電力

消費電力についても測定する。IdleはOS起動後10分の最小値、Loadは3DMarkのFire Strike Extremeを実行した際の最大値をプロットしている。通常、マイナビニュースで行っているレビューと同様にパーツ単体ではなく、システム全体の消費電力を測定している。

GTX 770のTDPは230Wなので、GTX 760とは60Wの差があり、システム全体の消費電力を見てもこれに即した結果となっている。

GeForce GTX 700シリーズの定番となれるか

さて、各種ベンチマークテストの結果をお届けしたが、低負荷時には10%程度、高負荷時には15%~20%程度の差であり、おおよそスペックなりの結果が出たといえるだろう。日本市場での参考価格は30,000円で、現状のGTX 770の実売価格が40,000円台後半から50,000円台半ばということを考えると、価格差ほどの性能差はなく、コストパフォーマンスは高い。

だが、その上位モデルとのスペック差と価格差が非常に気になる点で、前述したようにGTX 760の参考価格とGTX 770の実勢価格では20,000円~25,000円以上の差がある。またスペック的にもCUDA core数(GTX 760:1152基、GTX 770:1536基)をはじめとして大きな開きがある。

価格的にもスペック的にもGTX 770とGTX760の間にはぽっかりとスペースがあり、そう考えると、スペックを強化した「GeForce GTX 760 Ti」といったモデルも出てきてもおかしくはない。しかし、1ページ目でも紹介したプロダクトラインナップを振り返ると、GTX 760で製品の追加はいったんうち止めで、少なくとも2013年秋まではこのラインナップを維持する方針のようだ。

いまのところはGeForce GTX 700シリーズの中では手ごろな価格で、コストパフォーマンスの高い製品だが、今後のラインナップ次第で「定番」製品となれるかどうかが決まるだろう。

ただ、上位モデルと比べてTDPも低く抑えられているという点もあって、そこまで高い負荷をかけてゲームをしないという場合や、価格や現在使用中のシステム的にGTX 770やGTX 780には手が出ないという場合、あるいはFermi世代の製品を使っていて、そろそろリプレイスしようという場合に適したモデルといえる。

発売後、落ち着いてきたころに、実売価格が30,000円を大きく割り込んでくるならば、メインストリーム向けGPUとして確固たるポジションを築けるようなポテンシャルを秘めたモデルだ。