日本エイサーは18日、東京都内で「Acer Press Conference 2013」を開催。PCやタブレットの新モデルを発表するとともに、ブランド戦略やプロダクト戦略などを語った。新モデル群の概要は下記の別記事に譲り、ここではプレゼンテーションの内容を紹介しよう。
■日本エイサー、世界初の8.1型Windows 8タブレット「Iconia W3-810」
■日本エイサー、画面が色々な位置に変わる15.6型フルHDノート「Aspire R7」
■日本エイサー、脱着式のUltrabook「Aspire P3-171-N32Q」 - 実売約85,000円
■日本エイサー、漫画を読むための7.9型タブレット「マンガロイドZ」
■日本エイサー、580gの10.1型Office 2013搭載タブレット「Iconia W510D-2」
■日本エイサー、10点タッチ対応の11.6型モバイルノートPC - 実売約60,000円
■日本エイサー、無線LANを装備したスリムタワーPC - 実売約65,000円
今回は比較的大規模な催しであり、こうしたカンファレンスを日本エイサーが開くのは2011年4月以来とのこと。会場には日本エイサーの代表取締役社長 ボブ・セン氏をはじめ、グローバルで指揮を執るAcerのキーパーソンも姿を見せ、意気込みを語った。
正直ここ1~2年、Acerおよび日本エイサー、そして同社の製品群には正直元気がなかった。冒頭でスピーチしたボブ・セン氏は、「ここのところ『エイサーどうしたんだ』という声を多くいただいたが、今年(2013年)のテーマは『本気』。技術をいち早く投入するのがエイサースタイルであり、COMPUTEX TAIPEI 2013(編注:2013年6月に台湾で開催)とこの場で、世界初(*)の新製品を発表できる。最新のプロダクトには新しい技術を搭載しているなど、本気のエイサーを引き続き注目していただきたい」と述べた。
(*)Windows 8搭載タブレットにおいて。2013年6月4日現在、同社調べ
続いて、Acerのチーフマーケティングオフィサー、マイケル・バーキン氏が、グローバルコーポレート・マーケティング・ブランディング戦略を紹介。
「現在はデバイスそのものではなく、エクスペリエンス(経験)へと『価値』がシフトしている。製品を買ってくれたユーザーにわくわくしてもらえるか、ユーザーの感情に訴えられるかが重要。また、テクノロジーは文化に貢献し、ブランドはAcerだけではなくみんなのもの。デバイスを作り、経験を作り、人々とテクノロジーの垣根を壊す。それがAcerの中核。
この道のりは『ブランドハウス』としてAcerの土台になっており、ブランドの価値は好奇心・イノベーション・人間という3点。これをアイデアだけではなく、デバイスとして生み出す。デバイスそのものがヒーロー、身近な人がキーパーソンであり探求者。そうした人々にツール(デバイス)を提供し、限界を超え、デバイスとともに夢をかなえられるようにと想いを込めたい」(マイケル・バーキン氏)。
加えて「タッチUIを通してテクノロジーを再定義」とも語り、この考え方と上述のブランドメッセージを伝える製品として、11.6型で着脱式のコンバーチブルUltrabook「Aspire P3」を投入。マイケル・バーキン氏は「タッチ対応でタブレットとキーボードを取り外し可能なUltrabookとして普及していくだろう」と自信を見せ、「すばらしい時代がスタート」と締めくくった。
マイケル・バーキン氏のプレゼンテーションをもとに、グローバルプロダクト戦略を紹介したのは、Acerのアソシエイトバイスプレジデント、ジョセフィン・タン氏。
「PCはずっと、新しいフォームファクターに適合してきた。ライフスタイルやライフサイクル、コンテンツの共有などに合わせて、液晶一体型PCからスマートフォンのようなものまで、さまざまなデザインの製品が登場している。これがコンシューマースタイルであり、新しいトレンドによって我々は前進していける。
現在はWindows 8によってPCを使う新しいモデルが生まれ、タッチとタイプ(編注:キーボード)、そしてコンバーチブル型のデバイスと、『2つ』のユーザーエクスペリエンスが提供されている。タッチUIについては、Acerは多くのデバイスで提供しており、ノートPCもタブレットもデスクトップPCもある」(ジョセフィン・タン氏)。
Acerは「タッチ対応」をほぼ前提と考えているようで、エントリークラスのノートPCや液晶セパレート型のデスクトップPCを除き、大変の新モデルがタッチ対応だ。それらの製品に、新しいアイデア、機能、デザイン、そして「ユーザーエクスペリエンス」を盛り込んでいる。
なお、Acerがワールドワイドで展開する製品のすべてが、日本で発売されるわけではない。日本エイサーのプロダクトマネジメント部プロダクトマネージャー、西山隆康氏は「どれを日本に持ってくるかが悩ましいところ」とし、今回の新モデル群では4モデルに注力していくとした。
具体的には、「Aspire R7-571-N58G」、「Aspire P3-171-N32Q」、「Iconia W3-810」、「マンガロイドZ(Iconia A1-810)」だ。
斬新なギミックを盛り込んだ15.6型フルHDノート「Aspire R7」
Bluetoothキーボード着脱式の11.6型Ultrabook「Aspire P3」
世界初の8.1型Windows 8タブレット「Iconia W3」
電子書籍と好相性の7.9型Androidタブ「マンガロイドZ」(Iconia A1)
今回のAcer Press Conference 2013には3人のゲストが来場し、簡単なスピーチを述べた。こちらも簡単に紹介しておこう。
1人目は日本マイクロソフト 業務執行役員 OEM統括本部長の金古毅氏、2人目はインテル 執行役員 営業本部 本部長の大塚桂一氏、3人目はイーブックイニシアティブジャパン 代表取締役社長の小出斉氏だ。小出氏が率いるイーブックイニシアティブジャパンは、電子書籍で日本エイサーの新モデル「マンガロイドZ(Iconia A1-810)」と協業している。
日本マイクロソフトの金古氏は、Windows 8とからめてスピーチ。「今日は特別な想いで参加した。Windows 8は発売以降、1億ライセンスを数え、エイサーさんの『Iconia W3-810』は世界初の8.1型Windows 8タブレット。マイクロソフトにとっても記念すべき日になった。エイサーさんとはずっとタブレットを手がけてきており、Windows 7の時代からコンシューマーでも法人でも、このサイズのタブレットが切望されていた。Iconia W3-810はOffice Home & Businessを搭載し、従来と変わらぬエクスペリエンス。今後は法人向けにWindows 8 Pro搭載モデルも予定しており、今後も一緒にパートナーシップを続けていく」(金古氏)。
インテルの大塚氏は、注目モデルとしてAspire P3-171-N32QとIconia W3-810を挙げた。「Aspire P3はUltrabookとタブレットの1台2役。こうしたデバイスをインテルでは『2in1』と呼んでいる。Iconia W3-810は世界初のデバイスであり、エイサーさんが日本市場に色々なデバイスを投入してくれるおかげで、選択肢が増える。製品の企画から開発、マーケティングまで、エイサーさんとインテルはずっと協業してきたので、これからも一緒にやっていく」(大塚氏)。
イーブックイニシアティブジャパンの小出氏は、やはり電子書籍の話題。イーブックイニシアティブジャパンが運営する電子書籍サービス「eBookJapan」はマンガに強く、約70,000冊をそろえる(2013年6月時点)。「電子書籍とタブレットは相性抜群。マンガに関しては、実際の紙本と電子版のタイムラグが少なくなり、電子書籍が本屋さんと同じラインナップになる日も遠くない。マンガをタブレットで楽しむには、画面の縦横比はIconia A1-810の4:3が最適(編注:Iconia A1-810は7.9型1,024×768ドット)。今回はeBookJapanで使える5,250円分のチケットが付くので、実質のコストパフォーマンスはすばらしい」(小出氏)。