説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「どうして同じサービスなのにApp Storeのほうが高いの?」という質問に答えます。
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まったく同じサービスなのに、申込方法が異なると値段が変わる……オンラインサービス一体型のiOSアプリでは、しばしばそのようなケースを見かけます。経済合理性だけで判断すると、消費者は安いほうに流れますが、利便性やその他の"縛り"を考慮に入れると、必ずしもそうはなりません。
その例のひとつが、au/KDDIが提供する音楽配信アプリ「うたパス」です。auスマートパス会員となり、auのサイトから申し込めば月額利用料315円で利用できますが、アプリからアドオンを購入する形で申し込んだ場合は450円/30日間です。価格差は歴然で、au/KDDIのサイトから申し込んだほうが毎月135円も安くなります。
ただし、auスマートパスの会員資格を得るためには、毎月390円を支払い続けなければなりません。一方App Storeでアドオンを購入した場合は、auスマートパスに加入する必要はなく、1カ月きりの契約となるため、あまり利用しないにもかかわらず課金が続いてしまうことがありません。「うたパス」に関していえば、お試し的にサービスを使いたければApp Storeから申し込み、30日後に契約方法を考え直すほうが賢明です。
ほかにも、料理レシピアプリ「クックパッド」のプレミアムサービス(直接申込は月額294円、アプリ内アドオン購入は月額350円)、動画共有サービス「ニコニコ動画」のプレミアム会員(直接申込は月額525円、アプリ内アドオン購入は2000円/90日)などの事例がありますが、いずれもApp Storeのアドオン購入のほうが割高です。この価格差は、Appleに支払う手数料相当が加算されていることと、期間限定のサービス提供(自動継続にならない)であるため若干差を設けていることのいずれかに理由があると考えられます。もっとも、価格を決定する裁量は開発者側にあるため、必ずApp Storeのほうが高いわけではなく、どのような方法でサービスを申し込んでも価格が同じ可能性はあります。