既報の通り、マカフィーは、新たな個人向けのセキュリティ製品となるマカフィーリブセーフ(McAfee LiveSafe)を発表した。その発表会の模様をレポートしたい。
マカフィーとインテルの共同開発により生まれた「マカフィーリブセーフ」
すでにご存じかと思うが、マカフィーは2010年8月にインテルの子会社となることが発表され、2012年3月には完全子会社となった。ハードウェアメーカーとソフトウェアメーカーの合体により、McAfee DeepSAFEや新アプライアンスなどの共同開発を行い、そのシナジー効果を発揮してきた。今回のマカフィーリブセーフも共同開発によるものだ。冒頭にあいさつを行った常務執行役員の田中辰夫氏は、これまでユーザーのデバイスやデータを守るための革新的な開発をインテルと共同で行ってきた流れなどを紹介した。
次いで登壇したのが、Vice Chairman of the McAfee Board of Directorsのトッド・ゲブハート氏(Todd Gebhart)である。
トッド・ゲブハート氏は、日本市場への取り組み、そして、クロスデバイスセキュリティ戦略などを披露した。その中で興味深いトピックを紹介しよう。まず、コンシューマにおける行動が大きく変化している点を指摘した。もちろんこれは、スマートフォンやタブレットなどの端末の爆発的な普及である(図4)。
これに合わせ、セキュリティ製品もまた変化が求められた。図5は、オンライン環境を利用する4つのスクリーンの利用時間である。
PCが中心であった環境(つまり1枚のスクリーン)から、多くのデバイスを扱う環境へと移行してきている。つまり、PCといったデバイスの保護からデータの保護へと保護対象が移ってきている。さらに、ユーザーの意識も変化が現れている。具体的には、
・71%のユーザーは、財布よりもスマートフォンの紛失・盗難を心配している
・75%以上のユーザーがパスワードを必要とするWebサイトを定期的に5つ以上利用し、しかも「1234」のような単純なパスワードを使い回している
こういった課題を解決するためにインテルと共同で開発に取り組んだのが「マカフィーリブセーフ」である。今後もコンピュータを取り巻く環境は拡大し、その恩恵もより大きくなる。「マカフィーリブセーフ」は、このような環境で個人情報を守るために生まれたものと語った。両社が現在、そして今後において注目している領域は、以下の通りである。
・パフォーマンスの加速化
・より深く、よりよい保護機能
・永続型の保護
・ソフトウェアとハードウェアのソリューションの一体化 ・IDとプライバシーの保護
トッド・ゲブハート氏はマカフィーリブセーフについて、次世代のコンシューマのセキュリティであり、セキュリティモデルを変えるものになると述べる。現在、保護するデバイスはPCやモバイルデバイスであるが、将来、洗濯機や冷蔵庫や家電製品も保護対象になる可能性があるとも語った。