全国地方銀行協会はこのほど、2013年6月の地方経済天気図を発表した。それによると、6月の地方経済天気図DIは前月から4.7ポイント改善し63.3となった。同協会は、景況判断を「景気は持ち直しが続いている」とした。
地方経済天気図DIは、全国地方銀行協会加盟行の景況や需要項目などに関する現況判断(好転・不変・悪化)を数値化したもの。
先行きDIは前月比2.3ポイント上昇の70.6となり、景況見通しは「先行きへの期待感から持ち直し」と判断した。
項目別に見た場合、個人消費の地方経済天気図DI(以下同)は53.9で前月比1.6ポイントの改善。「大型小売店販売が衣料品を中心に振るわなかったものの、乗用車販売が増加に転じるなど、底堅い動き」となった。住宅建築は同2.3ポイント低下し67.2となったが、持家、貸家が増加し、好調を維持している。設備投資は同4.7ポイント改善の57.0。「慎重な投資姿勢が続くものの、先送りしてきた維持・更新投資を実施する動きがみられる」という。
公共投資は前月比10.7ポイント改善の70.3。「被災地の復旧・復興工事に加え、補正予算の執行に伴い、全国的に増加基調」にある。輸出は同6.7ポイント改善の62.5で、米国向けの自動車を中心に増加した。生産活動は同6.2ポイント改善の61.7で、「一般機械、電子部品などで増産の動きがみられる」。観光は同1.8ポイント低下の57.1で、温泉地、ホテルの宿泊客が増加するなど、緩やかな持ち直し傾向にある。雇用情勢は同7.5ポイント改善の62.5で、新規求人数が増加するなど、緩やかに改善している。
地域別天気マークを見ると、「曇一部雨」は、北海道、東北、関東、甲信越、北陸、近畿、中国、四国の8地域、「曇」は、東海、九州の2地域、「晴一部曇」は、沖縄1地域となった。
各地域の状況については、北海道は、住宅建築において持家、貸家が増え、持ち直しているほか、自動車部品の輸出が増加。東北は、個人消費が緩やかに持ち直しており、公共工事は震災関連の復旧・復興工事が増加している。関東は、一般機械、電子部品、輸送機械の生産が好調。甲信越と北陸は、個人消費において衣料品が減少し、足踏みしているものの、住宅建築は上向きとなっている。
東海は、個人消費の大型小売店販売で高額商品が増えているほか、電気機械、情報通信機械の生産が増加。近畿は、半導体、電気回路機器の輸出が好調で、上向きとなった。中国は、自動車、化学の生産が増え、緩やかな持ち直し。四国は、住宅建築が増加、公共工事は緩やかに持ち直している。沖縄は、公共工事が増加基調、観光は国内客に加え、台湾や韓国からの外国人客が好調だった。