宮崎発祥の「辛麺」がジワジワと激辛フリークの間で話題になっている。辛麺は宮崎県の延岡市で誕生したご当地グルメだが、その素材や味わいにはエスニック色があふれているらしいという噂だ。早速、取り寄せて調理してみた!
ニンニクと唐辛子のパンチと卵のマイルドがコラボ
この「辛麺」、もともと酒のシメというだけあって、醤油味のスープはニンニクと唐辛子たっぷりでかなりのパンチ力だ。そこに溶き卵のマイルドさが加わり、絶妙な「辛ウマ感」を引き出している。
麺は通称こんにゃく麺と呼ばれているが、本当にこんにゃくを使っているわけじゃないことに注意していただきたい。そば粉と小麦粉を使い、まるでこんにゃくのようなプルプル弾力を出しているのでこう呼ばれている。
辛麺ラヴァーズには女性が多いというが、唐辛子成分のカプサイシンと麺に大量に含まれている食物繊維によってダイエット効果が期待できるからだろう。宮崎のご当地まで、はるばるこの麺を食べに行く人もいるだろうが、今回はあえて店舗ではなく全国どこでも食べられる「通販お取り寄せ」でこの商品を攻めてみた。
お取り寄せ先は、宮崎県を中心に20店舗以上を展開する「辛麺屋 桝元」だ。店舗で食べる元祖辛麺は750円。これを生麺パックで通販している。
袋を開封して出てくるのは、生麺とスープと具、そして3つの小袋に分けられた唐辛子。麺はよく見ると、そば粉の黒いツブツブが確認できる。具にはミンチ肉とニラがフリーズドライされている。どんな素材なのか、どう味付けするのか、そしてどんな味わいなのか。調理する過程で「辛麺」の実像が見えてくるに違いない。
韓国冷麺のような歯ごたえ
では早速、作ってみよう。鍋にスープと具と320ccの水を入れ、火をかけて沸騰したら溶き卵を投入。麺は別の鍋で1分ほどゆで、湯きりをすればOKだ。実に簡単である。唐辛子はとりあえず1袋を投入して様子を見て、足りなければ追加しよう。完成した辛麺のルックスは、あの中華、サンラータンにそっくりなのである。
さて実食。スープをひと口すするといきなりのパンチ力だ! 見た目こそあっさりした醤油スープだが、嫌々どうして。強烈な味わい。しっかりとニンニクのエキスが溶け込んでいる。このニンニクの存在感は予想以上。
それもそのはず、店舗で食べる辛麺には1杯でニンニクが5かけほども入っていると言う。そのニンニクフレイバーを溶き卵がふわっと包み込み、マイルドに食べさせる。ミンチ肉もフリーズドライとは思えないほどの存在感だ。しかし、スープ以上に驚いたのがこんにゃく麺の強い弾力だ。うむ。どこかで覚えがあるぞ。この食感。そう! 冷麺だ。確かに冷麺にも「そば粉」は、入っているはずだ。
より刺激を求めて、唐辛子は3袋全てを投入し、生ニラを勝手にトッピング。汗をかきつつ、あっという間に完食した。そして最後のお楽しみに、残ったスープにご飯を投入して雑炊に。スープが浸み込んでいて、これがまたうまいのだ!
辛麺の味わいと素材から想起されるのは、中国のサンラータンに韓国の冷麺。ひき肉やニラといった具材との絶妙なハーモニーは、名古屋名物の台湾ラーメンにも通じる。辛麺。それはストレートに感想を言うとアジア麺だ。見かけにも味わいにも、アジア他地域の伝統麺の特色があふれんばかりに入っている。うまくて辛い、嫌、辛くてうまいと言うべきか。激辛フリークでない人にも、是非体感していただきたい一麺である。