パソコンやスマートフォン・タブレットなどの普及で、文字を書く機会が減ったと感じている人は多いでしょう。毛筆書写検定は、正しい書き順や美しい文字の書き方を学ぶだけでなく、文字を書くことで心を豊かにすることも目的としています。

■毛筆書写検定とは?

毛筆書写検定は、日本書写技能検定協会が主宰する検定のひとつで、特に書道(毛筆)についての知識や技能を問うものです。5級・4級・3級・2級・準1級・1級の6つの階級があり、それぞれに審査基準が定められています。1級ともなると、合格するには専門的な知識と高度な技能が必要です。

検定資格を取得すると、学校によっては入学試験で加点の対象になります。また、文部科学省後援の検定ということもあり、就職活動で履歴書に記入し、特技としてアピールすることも可能です。

■検定試験の概要(内容は2013年現在のもの)

・検定開催スケジュール:年間3回開催。実施要項が決まると各教育委員会や書道団体、学校などで広く告知されます。

・検定試験開催都市:主に各県の県庁所在地で開催されています(全国約70会場)。詳細は公式ホームページへ。

日本書写技能検定協会 毛筆書写技能検定 受験要項

・試験内容:
【実技問題】階級によって、4~6問出題されます。上位階級になると仮名や漢字の臨書、掲示文・書式文(賞状など)も出題されます。

【理論問題】
5級・4級では筆順や漢字の書き取り問題などが出題されます。上位の階級になると書道用語や書道史の問題、草書や古典を読む問題まであり、書道に関する専門的な知識が問われます。問題数は階級ごとに異なります(1~4問)。

■検定合格後は?

試験実施後、約1カ月で合否通知が届きます。合格すると協会から合格バッジと合格証明書の交付が受けられます。将来的に書道教室を主宰したい、カルチャースクールの講師になりたいなどの目的がある場合は、是非1級など上位の検定資格の取得を目指しましょう。書道のプロを目指さない場合も、信頼ある検定資格による裏付けがなされているので、学校や仕事の場で特技としてアピールしやすくなります。

また、趣味で書道を楽しんでいる人にとっては、自分のレベルの目安や目標になるでしょう。