政府は11日、2013年版「首都圏白書」(首都圏整備に関する年次報告)を閣議決定した。それによると、東京圏の空き家は一貫して増加し続け、2008年には45年前のおよそ15倍に当たる約186万戸に達したことがわかった。
東京圏の空き家は、1963年には約12万戸だったが、2008年にはおよそ15倍の約186万戸に増加。一方、空き家率は、1963年の2.6%から1998年には10.9%まで上昇したものの、2008年には11.2%と、この10年はほぼ横ばいの動きとなった。
地域別空き家率を見た場合、首都圏で最も高かったのは千葉県で13.1%。以下、東京都特別区(以下、23区)が11.3%、埼玉県が10.7%、神奈川県が10.5%と続いた。東京23区の空き家数は約54万戸に上り、今後の世帯数の減少を踏まえると、既存住宅地における再整備に向けた取り組みが行われない場合、空き家がさらに増加する恐れがあると指摘している。
別荘など「その他の住宅」の空き家率については、東京都心周辺部では低く、首都圏郊外で高くなっていることが判明。また、賃貸住宅の空き家率についても、同様の結果となった。
空き家の継続期間について見ると、東京都では継続期間が1年以上の割合が22.2%だったのに対し、東京40km圏以遠の地域では約2倍の49.0%に上ることがわかった。
東京都区部の容積率の充足率を調べたところ、都心3区では90%以上の充足率となったのに対し、北東部では50%未満、北西部では50~60%、南西部では60~70%となり、都心3区以外の区部においては、容積率を30%前後増やせる余地があるとしている。
東京圏の人口推移については、2015年の3,590万人をピークに減少すると推計。都道府県別に見ると、千葉県は2010年、埼玉県、東京都、神奈川県は2015年を頂点に減少すると見ている。一方、高齢者人口は増え続け、2010年の732万人から、2040年には約1.5倍の1,119万人まで増加するという。
なお、全国の人口に占める東京圏の人口の割合は、今後も一貫して増加する見通しで、2010年には27.8%だった割合が、2040年には30.1%に達すると予想している。
東京圏の世帯数について見た場合、1980年以降は増加し続け、2010年には約1,560万世帯となったものの、今後は2025年にピークを迎えた後、減少に転じると予測している。他方、東京圏の高齢世帯のうち、夫婦のみの世帯と高齢単独世帯は今後も増え続け、2030年には世帯数全体のおよそ4分の1となる約370万世帯に達すると見込んでいる。