2012年10月より放送され、先日には第二期の制作も発表されたTVアニメ『中二病でも恋がしたい!』が、今度は『小鳥遊六花・改 ~劇場版 中二病でも恋がしたい!~』として、2013年9月14日より全国27館にて公開される。
そこで今回は、劇場版制作に至った経緯や意気込みなど、本作の監督を務める石原立也氏が語ったメッセージを紹介しよう。ここでは、劇場版はもちろん、6月9日開催のイベントで初公開された第13話や、注目の第二期、さらには第一期の振り返りなど、さまざまな視点から『中二病でも恋がしたい!』についてが語られている。
劇場版制作決定! 石原立也監督が語る『中二病でも恋がしたい!』
――劇場版を作るに至った経緯などを教えていただけますか?
石原立也監督「劇場版については、プロデューサーから『やるか?』と言われたので、『はい、やりたいです』っていうぐらいのもので、そんなにドラマチックな感動的な展開はなかったです(笑)。内容的に第一期を再構築することになったのは、TVアニメの第二期を前に、第一期を観た方にも観ていない方にもあらためて振り返ってもらえるように、という感じですね」
――TVでは勇太目線だった作品を、今度は六花目線で再構築することになったのは?
石原監督「TVの1クール分って、一話が20分ぐらいでそれが12話分あるので、だいたい240分ぐらいなわけですけど、それをまともに総集編にしようと思うとけっこう大変だし、たぶんそのまま見せられてもそんなに面白くはないと思うんですよ。それなら、目線を六花よりに変えて、新作部分を追加すればより面白いものができるのではないかと。六花目線にしたのは、単にストーリーを追うのではなくて、違う目線で切り取りたかったというのがありました。六花が語ることにより、少し違う感じで作品を振り返えることができるのではないでしょうか」
――劇場版のタイトルは「小鳥遊六花・改」ということですが
石原監督「『中二病でも恋がしたい!』の主人公は勇太君のわけですが、今回は六花目線であることをはっきりさせるために、なおかつ、六花目線で構築しなおした世界という意味も込めて『小鳥遊六花・改』というタイトルにしました」
――ほかにはどんなアイデアがありましたか?
石原監督「いろいろ考えたんですけど、それらはあえなく却下されて……。『六花ちゃんはご機嫌斜め』とか……これはかなり末期的ですね。最初は『天使が白昼夢』とか『エンジェル デイドリーム』とか『デイドリーム オブ エンジェル』とか考えていたんですけど、だんだんパロディに走り始めて、そのうち末期的になって、『六花ちゃん はじめてのおつかい』とかわけがわからなくなってきたあげく、最終的には『小鳥遊六花・改』に決まりました」
――そして6月9日のイベントで初お披露目された第十三話ですが、こちらはどんな内容になりますか?
石原監督「内容的には第十二話の続きなんですけど、単なる続きというよりは第二期へのブリッジ的、橋渡し的役割のお話ですね。お話自体は、クリスマスのお話で、第一期の第十二話が、大体11月後半ぐらいのお話だと思っていて、そこからの続きでのクリスマスなので、第十二話から2、3週間後という感じになります。凸守の家に行って、クリスマスパーティーをするというお話ですが、それほど重い深いテーマがあるわけではなく、パッケージの第7巻につく新作という意味もあったので、今まで第一期を楽しんでいただけた方に対するファンムービー的な役割という感じで、面白くおかしい、コミカルな内容のお話になっております。クリスマスパーティーをする、それだけの話といえばそれだけのお話なんですけど、その中であえて多少真面目な内容といえば、勇太と六花の二人の関係性を改めて見直してみたことです。なんといっても、クリスマスを過ごす訳ですから(笑)。さぁ、どうなるんでしょう!」
――『中二病でも恋がしたい!』の第一期ではどのあたりで手ごたえを感じましたか?
石原監督「手ごたえというのはよくわかりませんが、放送前にイベントで先行上映会をしたときに、ある程度いい感想をいただけたので、ほっとした記憶があります。色々なご意見の中には落ち込むようなこともありまして……。ありがたいこともうれしいこともいっぱいいただんですけど、10のうちの1つでも何か嫌な事が書いてあると、しゅんと落ち込んじゃうので(笑)」
――第二期についてはあらかじめ想定はなさっていたのですか?
石原監督「想定はしていなかったですが、やりたいなとは思っていました。第一期では、イメージとしては、何となく王子様がお姫様を助けるようなお話にしたいと思っていたので、やり切った感はあったんですよ。原作の第一巻をベースにしているんですが、原作の中にあったようなことはほぼやっているので、そんなに未練はなかったのですが、原作には第二巻もあるので、もし続編ができるのであれば、原作二巻に出てくるような新しいキャラクターなどを使いたいと考えたりはしておりました。ただそれははっきりしたものではなく、作りながらぼんやり……という感じですね」