72歳になっても進化を続けるディラン。2009年にはアルバム『Together Through Life』で米英ともにチャート初登場1位を記録している (C)BANG Media International

ボブ・ディランが、フランスの最高勲章にノミネートされたことが明らかになった。

アーティストとしてのこれまでの功績が称えられ、先月オレリー・フィリペティ仏文化・通信大臣よりレジオン・ドヌール勲章の候補として推薦されていた。評議会のメンバーによりディランのノミネートが承認された。

ナポレオン1世によって制定されたフランスの栄典制度である同勲章は伝統的には外国人への授与を行わなかった伝統があるため今回の決定は物議をかもしており、実際に先月は一度、却下されている。政治風刺紙として知られる仏カナール・アンシェネ紙は、先月ディランが却下された理由は、フランスが植民地化していた経緯があるベトナムで勃発したベトナム戦争に、彼が反対していたこと、さらには大麻吸引の疑いがあるからだとコメントを掲載していた。

ただ、勲章がフランス人にのみ授与されるという原則には例外もあり、U2のボノも過去に授与された経験があるほか、昨年9月にはフランソワ・オランド大統領がポール・マッカートニーに同勲章を授与している。レジオン・ドヌール勲章のジャン=ルイ・ジョルジュラン委員長は仏ル・モンド紙に「評議会は国際的な文化の中心となることを目的とした我が国の伝統を配慮してきました。今回の決定が下されるに至って多くの要素が慎重に考慮された」と話した。

「とても才能に溢れる歌手で素晴らしい詩人」と絶賛されたディランは、1990年にもフランス芸術文化勲章を受賞したことがある。

また、先月にはディランはアメリカ芸術文学アカデミーの名誉会員にも選ばれており、これまでにウディ・アレンやメリル・ストリープ、マーティン・スコセッシなど映画界からはメンバー入りしているものの、ロックスターとして初めてメンバー入りを果たしている。

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