クレジットカード会社大手の米MasterCardは6月6日(日本時間)、同社の非接触決済サービス「MasterCard PayPass」を利用できるNFC対応の非接触決済端末を今後3年で日本全国に41万台設置する計画を発表した。現在、日本国内にはオリエントコーポレーションとの協業で千葉県浦安市のイクスピアリ(Ikspiari)に設置したPayPass対応決済端末が存在するのみだが、今後は一般店舗へと展開する形になると思われる。

先月5月にはVisaが同じ非接触決済サービスの「payWave」の日本国内サービス開始をアナウンスしているが、現時点で一般店舗に同サービスをNFCで利用可能な端末は設置されていない。前述イクスピアリに設置されているPayPass対応のリーダー端末はVivotech (現在はSequentとID Techに事業売却済み)製のものだが、対応仕様が古いものにあたるため、今後の機器入れ替えでpayWaveにも順次対応してくるとみられる。同様に41万台のマイルストーンを達成するためには国内大手リテーラーとの協業が不可欠なため、近々なんらかのアナウンスが期待されるだろう。

非接触決済分野ではFeliCa技術をベースに世界に先行する日本だが、Mifare技術をベースとするNFCの決済対応では非常に厳しい状況が続いている。一方で東欧やアジアなどの新興地域ではNFC対応の非接触決済端末の普及が進んでいるほか、米国ではMcDonald's、Macy's、7-Eleven、Walgreensなど大手チェーンを中心に全国レベルでNFC決済端末が導入され、さらにオリンピックを経過したロンドンではNFC対応クレジットカードを使っての市内交通利用が可能になっている。日本ではまだNFC利用環境があまり身近には感じられないが、利用可能な場所は確実に増え続けている。

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