俳優の上川隆也、武田真治、片瀬那奈らが5日、都内で行われた映画『二流小説家 -シリアリスト-』(6月15日公開)の完成披露会見に出席した。
原作は、海外ミステリー部門として初の三冠を達成したデイヴィッド・ゴードンの小説『The Serialist』。物語は、売れない小説家・赤羽一兵(上川隆也)が、連続殺人犯の死刑囚・呉井大悟(武田真治)から「告白本を書いてほしい」という執筆依頼を受けたことにはじまる。一流小説家への淡い夢を抱く赤羽だったが、彼の行く先々で新たな殺人事件が次々と起こる。その手口は、12年前の呉井と全く同じだった。
同作が初主演となる上川は、「自分の出演した作品を見るのはもともと照れくさくて、抵抗感が拭えないたち」と説明し、「それを…あろうことか大きなスクリーンに映し出されたものですから(笑)」と明かすと、片瀬がすかさず「何年やってるんですか(笑)」と突っ込み。照れ笑いを浮かべた上川は、「いつもだったら撮り終えると完成を待つばかりという心境になるんですけども、今回は取材を受ける機会が多かったものですから、撮り終えたあとから『自分が主演をしたんだ』と遅れて波が届くような感じで、自覚していきました」と新鮮な感覚を伝えた。
一方、役柄では上川と対立していた武田だったが、共演シーンが多かったこともあり自然と現場で話すことも多くなったという。武田は、「今日も上川さんを中心に控室にたまっていたんですけど、僕はほとんど上川さんとしか接点がなかったので、上川さんがほかの方としゃべっていると、僕は誰としゃべっていいかわからない…」と語り、「そういうジェラシーというか嫉妬にも近い気持ちだったので、単なる対立じゃなくて深いところで上川さんを求めていたんだと」という自己分析に会場は爆笑。上川も「僕は初めて知りました。そんなに求められていたとは!」と驚きつつも、どこかうれしそうだった。
呉井に姉を殺された被害者遺族・長谷川千夏を演じた片瀬は、現場の雰囲気が和やかだったことに触れ、「上川さんは言葉で話すよりも空気で感じ合えるような雰囲気を作ってくださったので、特に細かいところを段取りすることもなく、千夏のちょっとした変化にも柔軟に対応していただきました」と振り返っていた。この日、会場には同作に出演した高橋惠子、小池里奈、主題歌を担当した歌手・泉沙世子のほか、原作者のデイヴィッド・ゴードンも駆けつけた。デイヴィッド・ゴードンは、まず日本語で自己紹介し、その後は通訳を交えてあいさつ。関係者とキャスト陣に感謝の言葉を述べながら、「映画化されると聞き、しかも大好きな日本で制作されるということで夢のようでした。私はとってもラッキーです」と笑顔を見せていた。