厚生労働省は5日、2012年の人口動態統計(概数)を発表した。それによると、2012年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は前年比1万3,705人減の103万7,101人となり、1899年の統計開始以降最少となった。

出生率(人口1,000対)は前年比0.1ポイント減の8.2。出生数を母親の年齢別に見ると、30~34歳が36万7,651人で最も多く、以下、25~29歳が29万2,440人、35~39歳が22万5,443人、20~24歳が9万5,803人、40~44歳が4万2,028人と続いた。15~34歳および50歳以上では前年より減少した一方、14歳以下および35~49歳では前年より増加した。

第1子出生時の母親の平均年齢は、前年比0.2歳上昇の30.3歳となり、過去最高を更新した。

1人の女性が一生のうちに産む子どもの数を表した合計特殊出生率は、前年比0.02ポイント増の1.41で、1991年以来16年ぶりに1.40を上回った。都道府県別に見た場合、最も高かったのは沖縄県で1.90。以下、島根県が1.68、宮崎県が1.67、鹿児島県が1.64、長崎県が1.63と続いた。反対に最も低かったのは東京都で1.09。次いで、京都府が1.23、北海道が1.26、埼玉県が1.29となり、大都市を含む地域が低くなっていた。

出生数および合計特殊出生率の年次推移(出典:厚生労働省Webサイト)

死亡数は前年比3,188人増の125万6,254人で、戦後最多を更新。死亡率(人口1,000対)は前年比0.1ポイント増の10.0だった。また、死亡率性比(男の死亡率/女の死亡率×100)を年齢別に見ると、全年齢層で100以上となり、男の死亡率が高いことが判明。このうち、20~29歳と55~84歳の年齢層では男の死亡率が女の死亡率の2倍以上となった。

死因の1位はがんなどの悪性新生物で36万790人。全死亡者に占める割合は28.7%で、約3.5人に1人が悪性新生物で死亡したことがわかった。以下、2位は心疾患で19万8,622人、3位は肺炎で12万3,818人、4位は脳血管疾患で12万1,505人と続いた。

婚姻件数は前年比6,893組増の66万8,788組で、4年ぶりに増加。婚姻率(人口1,000対)は同0.1ポイント増の5.3。平均初婚年齢は、夫30.8歳、妻29.2歳で、前年より夫は0.1歳、妻は0.2歳上昇した。これを都道府県別に見ると、平均初婚年齢が最も低いのは、夫が宮崎県の29.8歳、妻が福島県の28.1歳、最も高いのは夫・妻とも東京都で、夫32.1歳、妻30.3歳だった。

再婚の割合は、夫が前年比0.2ポイント増の19.0%、妻が前年と同率の16.4%となった。

離婚件数は前年比325組減の23万5,394組で、3年連続の減少。離婚率(人口1,000対)は前年と同率の1.87。離婚件数を同居期間別に見ると、5年未満が7万6,128組でトップ。次いで、5~10年未満が4万8,433組、20年以上が3万8,553組、10~15年未満が3万3,045組、15~20年未満が2万4,461組となった。