中国のLenovo Groupは、NECと共同でスマートフォン開発・製造のジョイントベンチャー(JV)を設立し、急成長中の市場に切り込んでいく計画だという。現在NECはカシオとの合弁会社であるNECカシオモバイルコミュニケーションズを傘下に抱えており、これをLenovoに売却して携帯事業から撤退するとの話が出ているが、今回のJV設立がこれを受けてのものかは不明。

同件は英Reutersが報じている。これはLenovo CFOのWong Wai Ming氏がシンガポールで開かれた投資家との会合で説明したもので、名前は特定しないもののあるメーカーとジョイントベンチャーを設立し、スマートフォン事業を拡大させていく計画だという。Reutersが関係者の話として伝えたところによれば、このメーカーとはNECのことで、現在詳細の詰め段階に入っているようだ。前述のようにすでにNECの事業売却による携帯事業撤退の話が出ており、PC分野での両社の協業関係を考えれば、ごく自然な流れだと考えられる。

PC事業では業界2位のLenovoだが、スマートフォン、タブレット、エンタープライズ事業ではまだまだ出遅れており、現在事業シフトを加速している。こうした攻勢を進めるための事業買収も視野に入れており、例えばIBMのPCサーバ事業買収など、今後の買収に必要となる資金調達のための社債発行に言及している。また買収に関しては過去にもNokiaやBlackBerryの名前が挙がったこともあり、同分野強化に向けて協業と買収をうまく使い分けていく方針のようだ。