漫画『釣りバカ日誌』の原作者・やまさき十三が、映画『あさひるばん』(2013年11月)で初めてメガホンを取り、俳優の國村隼、板尾創路、山寺宏一、西田敏行、女優の桐谷美玲らが出演することが4日、明らかになった。

左からやまさき十三監督、桐谷美玲、西田敏行、國村隼、板尾創路、山寺宏一

同作は、『釣りバカ日誌』ワールドを彷彿とさせる本格コメディ。約30年前に高校球児だった浅本有也(國村隼)、日留川三郎(板尾創路)、板東欽三(山寺宏一)はその名字から「あさひるばん」と呼ばれていた。3人は、当時マドンナだったマネージャー・幸子(斎藤慶子)の娘(桐谷美玲)から一通の手紙を受け取ったことがきっかけで再会するも、その最初の舞台はなぜか刑務所だった。

71歳にして初監督作品に挑むやまさき十三は、30歳まで東映の助監督を務め、その後、漫画家の道へと進む。監督自身、高校一年まで野球に没頭し、甲子園を目指していた。監督は、『釣りバカ日誌』の映画シリーズが、西田敏行と三國連太郎のコンビで22作まで続いたことに触れ、「僕ひとりが、『すべての遺志を継いでいく』なんて無理なんですが、シリーズへの希望がかすかにでも感じられるような作品でありたいなとは思っています」と初監督作に意気込み、「映画は40年ブランクはあったけれど、33年マンガ原作者として喜劇を書き続けてきたので、それが映画を撮るうえでプラスになるだろうという自信はあります。精いっぱい頑張ります」と語っていた。

一方、『釣りバカ日誌』で"ハマちゃん"こと浜崎伝助を演じ続けてきた西田は、元野球部監督にしてしょうゆ蔵元・阪元雷蔵役として登場する。西田は、「また新たなシリーズになる予感がしています(笑)」と期待を寄せ、「今後、3人がそれぞれ3話ずつ撮ればもう10作目まで作れる。僕もずっと三國さんのような気持ちでいられるんじゃないかな(笑)」と想像を巡らせていた。「あさひるばん」の3人組のリーダー的存在・浅本有也を演じる國村も、「『釣りバカ日誌』のテイストというか世界観をそのまま再現したような作品になるんじゃないかと思って、自分でも楽しみにしています」と『釣りバカ』の影響は強い。

桐谷が演じる有三子は、結婚式を控え、自分の父親を探すことを決心する。桐谷は「先輩たちに囲まれて教えられることも多く、緊張しながらも、私の演じる有三子という役はけなげでまっすぐでかわいらしい女の子だと思うので、私なりに楽しんで毎日撮影に取り組んでいます」とコメントを寄せ、「すてきな作品に参加できて良かったなと思っています」と彼女の女優人生でも貴重な作品となるようだ。