-- 日本企業がネットワークセキュリティ対策を強化するためには、どうしたらいいと思いますか?
より多くの人々がセキュリティを強化するためにどうすべきなのかということをまず考えるべきでしょう。そのためには、社内全員のセキュリティ対策に対する認知度を高めていくことが大切です。レポートやプレゼンなどによって、「顧客側ではセキュリティに対する理解度が高まって来ているため、セキュリティを確保するための新たなテクノロジーを採用しないとビジネスチャンスを逃してしまう」といったことを訴えるのです。日本では1つの決定を下すまでにとても長い時間がかかりますが、いざ決まってしまえば一気に進むので、私としては大いに期待しています。
-- 日本市場でファイアウォール以外の製品の認知度をより高めるために何かやろうとしていることはありますか?
とてもシンプルな方法を考えています。当社は、お客様のところに直接赴いて、フェイスツーフェイスで1社ずつ地道に説明していくことをモットーとしているのです。お客様からセキュリティについての悩みを聞いたうえで、"どのような脆弱性が存在しているから、このように対処した方がいい"といったアドバイスをするのです。それがいずれ、我々が提唱し、数々のソリューションを提供している「多層防御」という手法が正しいことの証明につながると信じています。ただ製品を押し付けたのでは認知度など高まるわけがありませんから。とにかくユーザーやパートナーとの接点を増やしていきながら、お客様の課題を聞いてそれに対する対策を提供するのが正しいアプローチなのではないでしょうか。
-- チェックポイントの製品が優れているところはどんなどこですか?
単なるポイントのソリューションではなく、あらゆるタイプの攻撃から防御するためのトータルなセキュリティ・アーキテクチャを提供しているところです。このようなことができるのは現在のところ当社だけだと自負しています。そしてこうしたアーキテクチャにより、あらゆる規模の組織においてゲートウェイからエンドポイントまでのセキュリティ統制を、同じ管理手法で行えるようになるのです。データの防御もネットワークアクセスの防御もセキュリティ対策では同一線上で捉えることができるわけですね。
-- 最後に、これから注力していきたい分野について教えてください。
まず1つは、これまでと変わらず脅威に対する防御を極め続けていくことです。そしてもう1つは、モバイルセキュリティですね。既にモバイルデバイスそのものを守るためのソリューションを開発しています。それは、デバイスの中に守られた特別な領域を作ることで、会社のメールやカレンダー、連絡先などにアクセスしてアプリケーションを利用しても、高いセキュリティが確保できるというものになります。ただし、モバイルにせよクラウドにせよ、新しいテクノロジーがどんなに普及しても、ネットワークとデータの両方を守らなければならないという我々の戦略には変わりありません。データがクラウドにあろうとモバイルにあろうと、いずれにせよ多層による防御が必要となるのですから。我々のセキュリティアーキテクチャは拡張性も柔軟性も非常に高いので、どのような環境でも組織を守ることができるわけです。