MSIは2日、第4世代Intel CoreプロセッサとNVIDIAの最新モバイル向けGPU「GeForce GTX 700M」シリーズを搭載したゲーミングノートPC5モデルを発表した。マイルストーンを通じて、すでに販売を開始している。発表に先立って、MSIは報道関係者向けに製品説明会を開催。説明会も踏まえながら発表された製品の紹介をしたい。

最新のCPUとGPUを採用することで、従来製品と比べてパフォーマンスが向上した。CPUとGPUに対する冷却として、MSIが「Cooler Boost 2」と呼ぶ新たな冷却システムを搭載。

CPUのパフォーマンス比較

GPUのパフォーマンス比較

従来はCPUとGPUを個別に冷却ファンと接続していたが、「Cooler Boost 2」では、CPUとGPUのヒートシンク間にヒートパイプを渡すことで、効率的に排熱することができるという。MSIが行ったテストでは、「Cooler Boost 2」によって従来よりもCPUとGPUの表面温度を7~8度下げることができたとしている。

従来の冷却システム

Cooler Boost 2の仕組み

また、フラグシップモデルである「GT70 Dragon Edition 2 Extreme」では、システム用のドライブとして、2.5インチSSDのスペースに128GB mSATA SSDを3基RAID 0構成で搭載した「Super RAID 2」を採用。SATA 3.0で接続した通常の2.5インチSSDと比較して、3倍の速度となる1,500MB/sでのデータ転送が可能だという。

2.5インチSSDのスペースにmSATA SSDを3基RAID 0構成で搭載

通常の2.5インチSSDと比較して、3倍の転送速度

マルチディスプレイでの出力にも対応する。最大で外部ディスプレイ3面とノートPC自体のディスプレイで4画面の出力が可能。製品解説を行ったMSIのプロダクトマネージャ Kevin Hsu氏は「日本ではまだマルチディスプレイがそれほど広がっているとはいえないが、その分これから市場が拡大していく余地はあるので、注力していきたい」とコメントした。

マルチディスプレイを推進

3系統の外部出力を備える

エクステンションモードでの表示に加え、GXシリーズではサラウンドモードでの表示もできる

会場でもマルチディスプレイのデモを展示

このほか、MSIがゲーミングマザーボードなどでも採用するLANコントローラ「Killer E2200」に加えて、無線LANでも「Killer N1202」を搭載。ネットワークの帯域幅をアプリごとに任意に設定可能で、オンラインゲームのプレイ時に発生する画面のカクつきやタイムラグを低減する。ラグがプレイに大きな影響を与えるFPSといったジャンルのゲームで効果を発揮するとしている。

GTシリーズ

GT70 Dragon Edition 2の試作モデル。天板を左にあるマシンのように赤く塗装して、ロゴ部分にドラゴンを描く仕様

最上位モデル「GT70 Dragon Edition 2」の主な仕様は、CPUがIntel Core i7-4930MX(2.4GHz)、チップセットがMobile Intel HM87 Express、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 780M、メモリがDDR3L-1600MHz 16GB(8GB×2)、ストレージがSuper Raid 2 384GB SSD(128GB mSATA×3)+750GB HDD、光学ドライブはブルーレイディスクドライブ、ディスプレイは17.3型フルHD(1,920×1,080ドット)ディスプレイ、OSはWindows 8 64bit。

背面に3系統のディスプレイ出力

右側面に光学ドライブなどを配置

インタフェースは、USB 3.0×3、USB 2.0×2、HDMI×1、Mini-DisplayPort×1、D-sub×1、10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応有線LAN(Killer E2200)、IEEE802.11a/b/g/n対応無線LAN(Killer N1202)、Bluetooth 4.0、カードリーダなど。本体サイズはW428×D288×H55mm。重量は約3.9kg。8月の発売を予定し、店頭予想価格は439,800円前後。

「GT70 2OD-207JP」は、本体の筐体は「GT70 Dragon Edition 2 Extreme」と共通で、「GT70 Dragon Edition 2 Extreme」の仕様から、CPUをIntel Core i7-4700MQ(2.4GHz)、メモリを8GB(8GB×1)、ストレージを128GB mSATA SSD+750GB HDDに変更したモデル。すでに販売を開始しており、店頭予想価格は253,000円前後。

15.6型ディスプレイを搭載した「GT60 2OD-032JP」の主な仕様は、CPUがIntel Core i7-4700MQ(2.4GHz)、チップセットがMobile Intel HM87 Express、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 780M、メモリがDDR3L-1600MHz 8GB(8GB×1)、ストレージが128GB mSATA SSD+750GB HDD、光学ドライブはブルーレイディスクドライブ、ディスプレイは15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)ディスプレイ、OSはWindows 8 64bit。

インタフェースはほかのGTシリーズとほぼ共通だが、USB 2.0ポートが1つとなる。本体サイズはW395×D267×H55mm。重量は約3.5kg。店頭予想価格は店頭予想価格は169,800円前後。

GEシリーズ

GEシリーズには新たに14型の薄型ノート「GE40 Dragon Eyes」をラインナップに追加する。重量も約1.98kgとゲーミングPCとしては比較的軽量なモデルといえる。

GE40 Dragon Eyes

主な仕様は、CPUがIntel Core i7-4702MQ(2.2GHz)、チップセットがMobile Intel HM87 Express、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 760M、メモリがDDR3L-1600MHz 4GB(2GB×2)、ストレージが750GB HDD、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブ、ディスプレイは14型HD+(1,600×900ドット)ディスプレイ、OSはWindows 8 64bit。

本体左右のインタフェース

インタフェースはUSB 3.0×2、USB 2.0×1、HDMI×1、D-sub×1、10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応有線LAN、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0、Webカメラ(約130万画素)など。本体サイズはW339×D239.4×H22.3~29.2mm。重量は約1.98kg。店頭予想価格は139,800円戦後。

17.3型ディスプレイを搭載した「GE70 2OE-025JP」の主な仕様は、CPUがIntel Core i7-4700MQ(2.4GHz)、チップセットがMobile Intel HM87 Express、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 765M、メモリがDDR3L-1600MHz 8GB(8GB×1)、ストレージがSuper Raid 128GB SSD(64GB SSD×2)+1TB HDD、光学ドライブはブルーレイディスクドライブ、ディスプレイは17.3型フルHD(1,920×1,080ドット)ディスプレイ、OSはWindows 8 64bit。

インタフェースは、USB 3.0×2、USB 2.0×2、HDMI×1、D-sub×1、10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T対応有線LAN(Killer E2200)、IEEE802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0、カードリーダなど。本体サイズはW418×D269.3×H39mm。重量は約2.75kg。店頭予想価格は249,500円前後。

上記構成からグラフィックスをGeForce GTX 750Mに変更した「GE70 2OC-027JP」の店頭予想価格は179,800円前後。

15.6型ディスプレイ搭載「GE60 2OE-020JP」の仕様は、CPUがIntel Core i7-4700MQ(2.4GHz)、チップセットがMobile Intel HM87 Express、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 765M、メモリがDDR3L-1600MHz 8GB(8GB×1)、ストレージがSuper Raid 128GB SSD(64GB SSD×2)+1TB HDD、光学ドライブはブルーレイディスクドライブ、ディスプレイは15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)ディスプレイ、OSはWindows 8 64bit。

インタフェースは17.3型のGEシリーズと同様で、本体サイズと重量はW383×D249.5×H37.6~32.3mm/約2.45kg。店頭予想価格は169,800円前後。

17.3型の薄型ゲーミングノートもちら見せ

Kevin Hsu氏が製品説明中に取り出した薄型ノート

説明会では17.3型ディスプレイ搭載で、薄さ21.8mm重量約2.6kgの薄型ゲーミングノート「GS70 Stealth」も公開された。詳細なスペックはまだ不明だが、筐体に金属製のシンプルなボディを採用。HDMIとのmini DisplayPort×2基を搭載し、3画面のマルチディスプレイに対応するという。8月の発表予定で、スペックなどもその際に合わせて公開されるという。

ギミックが多いゲーミングPCの中にあって非常にシンプルなデザインを採用する