6月3日(現地時間)、Microsoftは自社ブログの一つ「Springboard Series Blog」で、企業向けエディションとなるWindows 8.1 Enterpriseに関する新機能を紹介した。これらの情報は同日から開催されているITプロフェッショナルおよびエンタープライズ開発者向けのイベント「TechED 2013」で明らかにされたものだ。
Windows Commercial担当のシニアプロダクトマネージャーであるStephen L Rose(スティーブン・ローズ)氏は、6月26日のパブリックプレビュー公開にあたり、「Windows 8.1は企業のニーズを満たす」とアピール。Windows 8.1 Enterpriseの新機能として「BYODの拡張」「モビリティの強化」「セキュリティの強化」「モダンUI体験」と、四つのカテゴリーで紹介している。
最近では日本国内でも浸透しつつあるBYOD(Bring your own device:個人所有のデバイスを職場で業務に利用する)だが、Windows 8.1 Enterpriseでは、ドメイン環境やファイルサーバーとの親和性が向上し、NFC(Near Field Communication)対応プリンターや無線LAN対応プリンターへの即時対応など、実際のWindows 8.1マシンの職場利用を踏まえた機能強化が行われる。また、BYODとして持ち込んだデバイスを管理するOpen MDM(Master Data Management)への対応など、セキュリティ面の強化も行われた。
モビリティに対しては、VPN(Virtual Private Network)クライアントのサポート追加やワンクリックでサインインするオートトリガーVPNなど、外出時のネットワーク機能強化をアピール。また、モバイルブロードバンド環境でのさらなる省電力化、他のデバイスに無線LANアクセスポイントを提供するテザリング機能も実装する。
セキュリティ面は、情報漏えいを未然に防ぐための指紋認証システムの改善や仮想スマートカードのサポートが新たに加わるという。既存のアプリケーションにも改良が加わり、Windows Defenderは新たにネットワーク動作を監視する機能を追加。新たに搭載されるInternet Explorer 11もマルウェア対策としてバイナリファイルのスキャン機能が加わる予定だ。モダンUIに関しては既報のとおり複数表示可能になったスナップビューや、デスクトップを直接起動するオプションを用意するといったことを紹介している。