愛する家族や友人、知人、仕事仲間の死、とても悲しくいたたまれない気持ちになります。日本では通夜や告別式などの儀式を通して、故人の死を悼み、冥福を祈り、別れを告げますが、外国ではどのような別れの儀式が行われるのでしょうか。日本に住む20人の外国人に聞いてみました。
■数人がスピーチをした後、小パーティーをする(カナダ/20代後半/男性)
日本でもお通夜や告別式のあと、食事をしながら故人との思い出話をする「通夜ぶるまい」や「精進落とし」の時間が設けられますね。
■モスクで集まって、黒い服を着た死んだ人の友人や知り合いが、死んだ人の家族に会いに行きます。その時、特別な食べ物が死んだ人の家族によって用意されています(イラン/20代後半/女性)
黒い衣服を着るのは日本と同じですね。お隣の韓国は白い喪服が主流です。日本も白い喪服の時代もありましたが、手入れのしやすさや欧米諸国の影響で黒の喪服が一般的になりました。イランでは人が亡くなると「ハルヴァ」というお菓子が、遺族、友人、そして貧しい人々に配られます。
■エジプトで大半を占めるイスラム教徒のお葬式は、男女会場が異なり、コーランが唱えられるのをずっと聞いています。また、砂糖のないアホア(トルココーヒー)をみんなで飲みます(エジプト/40代前半/男性)
イランと同じイスラム教国のエジプト。モスクの中庭で行われる葬儀には女性は参列しない等、男女で弔い方が異なるそうです。
■お寺でお坊さんに3日か7日間お祈りしてもらって、その後はそのままお墓に埋めるか火葬します。火葬の場合は少し骨を取ってお墓に置いて、残った骨は海に流します(タイ/30代前半/女性)
熱帯に属する国タイでの長時間にわたる葬儀は、遺体に防腐剤を注入してから行われます。複数の僧侶が訪れ、重厚な印象を受けます。ちなみに海などに骨をまくいわゆる「散骨」は、日本でも違法ではありません。
■教会で葬式をします。火葬は最近増えていますが、基本的にはしません(スウェーデン/40代前半/女性)
スウェーデンでは死後2か月以内に埋葬あるいは火葬を行うことが法律で決められています。死後11日~14日頃に葬儀を行うのが理想的。遠方の方も葬儀に出席しやすいかもしれませんね。さて、スウェーデンでは土葬が主流という回答ですが、ほかの国ではどうなのでしょうか。
■土葬が一般的だと思います(トルコ/30代後半/男性)
■火葬しない(ペルー/40代後半/男性)
■亡くなった方がカトリック教徒の場合、遺族とその親友が集まり、教会で神父の追悼演説を聴きます。その後、皆で墓地に向かい埋葬を行います(イタリア/30代前半/男性)
日本は99.9%という世界に類を見ない高い火葬率です。法律で土葬が禁止されているわけではありませんが、地方自治体によって条例などで規制があります。海外ではその土地の風習や宗教上の関係で、土葬が多いのですね。
■教会に参列した後、墓地で儀式があり、棺おけを土葬又は火葬します(ドイツ/30代後半/男性)
■カトリックの場合は土葬、最近では火葬が多いです(フランス/20代後半/女性)
■埋葬、又は火葬。火葬は安価なため、最近ではとても一般的になってきました(オランダ/30代前半/男性)
かつては日本も土葬が一般的でしたが、墓地不足や衛生上の問題から火葬に移行しました。欧州では土葬が一般的ですが、埋葬費用の高さもあり、火葬が徐々に増えてきているようです。
どこの国も宗教や伝統、風習に習った葬儀をすることが一般的ですが、お気に入りの音楽を流してほしい、喪服は着ないで明るい雰囲気で見送ってほしいなど、多様化も進んでいます。自分はどうするか、少しずつ考えておきたいですね。