"逆"もまた「風水」

一般的に、ビジネスの風水と言いますと、オフィスの気を良くするための措置を考えていくものです。

当然、仕事をしやすい、気持ちのいい環境を作ることが第一の目的となります。

しかし、実は同じビジネスでも、逆のことも稀に行われたりします。

悪い気、殺気を作り出すということです。

例えば、ラスベガスやマカオのカジノ。

大勢の人が一山当てようと目をギラギラさせてやってきますね(笑)。

こうした客の中には、やはり生まれつき運のいい人や、風水の知識を利用して、うまく勝とうとする人なども含まれていて、運営者側を悩ませます。

こういった状況では、お店側は逆に気を悪くする風水術を用います。

風水師を呼んで、客の潜在意識に、恐怖であるとか、勝てそうにない雰囲気を植えつけるような設計をするのです。

一番恐ろしい例としては、建物の真ん中に子供の骸骨を埋め込んで、大きな強い殺気を生み出した店もあるのだとか。

最近の風水はとかく、「幸せになる方程式」とか、「お金持ちへの道」みたいなライトな面ばかりクローズアップされていますが、実は結構生々しい用途もあるんですね。

風水でちょっとした"気遣い"も

ちなみに、一番簡単な「攻撃的な気」の作り方は、何らか鋭角のものを、その対象(建物や人)に向けることです。

例えばオフィスの中でも、柱などの「角」(90度が多いですので、そんなに強い気は発しませんが)が自分のほうを向いていたら、風水師はその前に観葉植物を置くなどして、気の衝突を回避します。

そういうことを知ると、他人様には「尖ったもの」を向けられなくなります。

食事の席などでも、箸の先が誰かに向いてないかとか、少しのことですが気にするようになるんですね。

でもそういった「縛り」があるおかげで、ちょっとした気遣いができたり、ずぼらにならずに済んだりしているのではないかと思っています。

いろんな難しい理論もありますが、風水の基本はいつでも「快適な空間作り」です。

相手にされて不快なことは、自分でもしない。そういうことも重要な「風水」ではないかと思うのです。

<著者プロフィール>

高木芳紀(たかぎよしのり)

風水オフィスアドバイザー。1971年名古屋生まれ。金沢大学卒業後、商社に就職。繊維、IT、放送関連機器の部署にて営業職を経験後、同社にいた先輩の家業であるアスクル代理店の「株式会社つばめや」に転職。新規事業企画担当兼ウェブマスターとして、主にインターネットを活用したオフィスサプライ通販の独自路線を開拓中。その中でオフィスの効果的なレイアウト手法のひとつとして風水と出会い、「風水オフィスドットコム」を立ち上げる。新たなる癒しの時代、創造の時代のキーワードとして、企業のオフィス作りを支援し続けている。自らに課したテーマは「仕事とオフィスの最適化!」