三井住友銀行は30日、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(以下介護施設)を融資対象不動産とする「介護施設提携ローン」(以下同商品)を開発し、大和ハウス工業との提携により同商品の取扱いを開始した。

わが国で高齢化が急速に進展している中、厚生労働省は「平成24年版厚生労働白書」において、高齢者支援サービスを提供する住宅の確保が極めて重要である一方、欧米各国と比較してその整備が立ち遅れているため、国土交通省と連携しながら介護施設の供給促進を図っていくこととしている。また、2011年10月に施行された「高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律」により「サービス付き高齢者向け住宅制度」が定義され、超高齢社会の本格的到来に応じた環境整備が進展しつつあるという。

このような背景のもと、同行は高齢者向け商品・サービスの充実は社会的な課題の解決に向けた重要な取り組みであるととらえ、このたび超高齢社会における重要な社会基盤である介護施設の供給促進に向けて、ストラクチャードファイナンスのノウハウを活用し、介護施設を専らの融資対象不動産とする新たな融資商品を開発した。

同商品は、土地の有効利用を希望する顧客(以下オーナー)、不動産の転貸事業を営む同行との提携企業、同行の3者が介護施設の建設、建設資金の融資、高齢者支援サービスの提供などの役割をそれぞれ分担して協力する点において特長ある商品。具体的には、同行からの借入によりオーナーが建設した介護施設を提携企業が一括して賃借した上で、高齢者支援サービスを提供するという商品内容であり、同行は同商品により市場への介護施設の新規供給をサボートするもの。

このたび同行は、サービス付高齢者住宅の賃貸事業と建設工事受注の拡大をグループの中期経営計画の主要施策として掲げ、かつ同商品の趣旨を評価した大和ハウス工業と、同商品の取扱いにおいて第1号となる提携基本契約を締結した。この提携により、同行の顧客のみならず、大和ハウス工業の顧客にも介護施設の供給促進に協力してもらえる可能性が広がるだけでなく、大和ハウス工業の豊富な不動産賃貸と介護施設建設のノウハウを提供してもらうことで、質の高い介護施設をより安定的に市場に供給することの出来る体制が構築されることになるという。

今後も同行は、同商品の提携企業を増やしていくことなどを通じて、介護施設の供給促進に向けた取り組みを継続することにより、高齢者向け商品・サービスの充実を先駆的・積極的に推進し、高齢者が安心していきいきと生活できる社会の実現に貢献していくとしている。