米Microsoftは5月31日(現地時間)、公式ブログにおいて「Windows 8.1」で提供する新機能、改善点・変更点の一部を初めて公表した。

Windows 8.1ではマウス/キーボードを使って”Start”をナビゲーションしやすくするために、画面の左下にWindowsロゴのボタンが追加される。デスクトップモードではタスクバーに常駐。その他の状態でもスクリーンの左下隅にマウスを動かすと現れる。モダンUIとデスクトップを切り替えるボタンだが、起動後に表示される画面を変更したり、Windowsボタンの役割を変更することも可能。例えばタイルよりもアプリ表示を好むユーザーは、Start画面の代わりに全てのアプリを表示させられる。

Windows 8.1がBlueというコードネームで呼ばれていた頃からStartボタンの復活は噂されていたが、その実現を求める声の多くはStartメニューにアクセスできるStartボタンを望むものだった。そうしたオプションが含まれるかは不明。31日の公式ブログでの説明を読む限りでは、Startボタンは復活しても、Startメニューは復活しない可能性が高い。

Windows 8.1 5つの改善・強化ポイント

Windowsプログラムマネージメント担当バイスプレジデントAntoine Leblond氏は 、Windows 8.1の改善・強化のポイントとして「パーソナリゼーション」「検索」「標準アプリ」「Windows Store体験」「クラウドへの接続性」を挙げた。

ロック画面にローカルストレージ内またはSkyDrive内の写真を使ったスライドショーを表示できるようになる。ロック画面ではまた、ログインせずにそのまま内蔵カメラを使った写真撮影が可能になるという。

Start画面のカスタマイズ機能にも細かな改良が施される。タッチ操作の際にタイルが動いてしまうことがあるため、長押し(または右クリック)でタイルを移動させるようにする。リサイズや移動、削除は、複数のアプリを選択してまとめて行うことが可能。またデスクトップの壁紙をStart画面の壁紙として選択できるようになり、デスクトップとの一貫性を保てる。

Start画面のカラーや壁紙が拡充、動きのあるものも含まれる。

Windows StoreからインストールしたアプリはStart画面に置かれるが、Windows 8.1ではアプリ表示で”new”とマークされる。ユーザーが必要なアプリだけをStart画面にピン留めする形になる。

なお、全てのアプリは画面を下からスワイプしてアクセス可能。開いたら、名前、インストールした日付、よく使うアプリ、カテゴリーなどでフィルタリングできる。

検索チャームがBing検索によるグローバル検索に対応する。検索語に対してWeb、アプリ、ファイル、SkyDriveなど様々な検索対象から集めてきた結果を見やすく表示。音楽やビデオの再生などクイックアクション機能も備える。

WebブラウザはInternet Explorer 11にアップデートされる。Internet Explorer 10よりもページロードが高速になり、表示をカスタマイズする自由度が広がる。また、同期する全てのWindows 8.1デバイスで開いているタブを共有できるようになる。

Internet Explorer以外にもWindows 8に搭載された標準アプリは全て強化される。例えば、写真アプリは写真を表示しながら編集や調整を行いやすくなり、また音楽アプリはコレクションを閲覧しやすい新デザインに変わる。Leblond氏によるとWindows 8.1で登場する新しい標準アプリもあり、それらの情報は順次公式ブログで公表していくという。

Windows Storeはアプリ情報の閲覧性が向上し、画面右上から手軽にアプリ検索を行えるようになる。またストアアプリをバックグラウンドで自動的にアップデートするオプションが追加される。

アプリの使用やファイルへのアクセスにも多くの改善・強化が行われる。2つのアプリ画面を同時に表示するスナップビューがサイズ変更に対応。同じアプリの複数のウインドウを並べることも可能になる。例えば、異なるWebページを表示したInternet Explorerの画面を並べられる。タブレットにおけるWindows 8の大きな特徴であるマルチタスク機能が、さらに使いやすくなりそうだ。

Internet Explorerとメールを並べて表示

SkyDriveの統合が進み、ファイルを直接SkyDriveに保存できるようになる。新しいSkyDriveアプリからデバイス内とクラウドのファイルにアクセスでき、オフラインアクセスも設定しやすい。

新しいSkyDriveアプリ

ディスプレー解像度の変更、電源オプション、PC情報の表示、プロダクトキー、Windows Update、SkyDriveの管理など、あらゆるデバイスの設定をコントロールパネルにアクセスせずにPC設定から行えるようになる。Microsoftアカウントでログオンすると、設定やアプリが自動的に同期され、簡単に新しいデバイスをセットアップを完了できる。

Microsoftは6月3日-6日に米ニューオーリンズで開催するTechEd North AmericaでWindows 8.1のさらなる情報を公開し、6月26日-28日に米サンフランシスコで開催するBuild 2013でパブリックプレビューをリリースする計画だ。