アイデアが浮かばない、スキルが思うように身に付かない、モチベーションが続かない……などなど、クリエイターを目指す若者に悩みは多いはずだ。そんなクリエイターの卵たちを応援するため、ワコムは現役のプロクリエイターが悩みや疑問に直接答えるキャンペーンサイト「おしえて! センパイ クリエイター」を公開している。
"先輩"クリエイターとして登場するのは、イラストレーターの中村佑介氏をはじめ、デザイナーのジョン・ワーウィッカー氏、CGアーティストの原田大三郎氏、アニメーターの安彦良和氏などだ。ここではクリエイターを目指す際に直面しがちな悩みや疑問をいくつかピックアップし、それに対する現役クリエイターの貴重なアドバイスとあわせて紹介する。
才能と努力、どちらが重要なの…!?
芸術的な感性が要求されるクリエイターという職業。やはり重要なのは生まれもっての"才能"なのか、それとも絶えず向上しようとする"努力"なのか……。とあるユーザーからは『クリエイターには才能と努力、どちらが必要か』というシンプルかつ奥深い疑問が寄せられている。
これに対し、漫画家としても活躍する安彦良和氏は「大して努力していないのに才能でバンバンやってる人とかもいますし、大して才能ないのに努力で世に出ちゃう人もいる。でも、片方が皆無という人はいないと思いますよ」とした上で、「どっちも必要です(笑)」と答えた。「努力を主体とする人は努力家と呼ばれ、大して努力せずに出てくる人は天才と呼ばれるんですよね」と同氏が言うとおり、呼ばれ方が変わるだけで、どちらが重要と言い切ることはできないということだろう。
クリエイターになるために、今すべきことは?
また、クリエイターを目指しているという高校生からは、『今、何をしておいた方がいいのか?』という具体的な質問が寄せられていた。
この質問に、映像およびCG作家の原田大三郎氏は「アートとかデザインとか、そういう勉強をしないほうがいいでしょう」と断言。「自然の中で沢山遊んで空気の匂いとか、風の様々な表情とか、月や太陽が創り出す様々な表情とかを身体で体験する、身体で覚える……そういうことをやっていたほうがいい」などと、まずは感性の引き出しを増やすよう若者にアドバイスした。
スランプに陥ったら、どうする…?
このほか、プロクリエイターの仕事に対する姿勢を尋ねる質問も少なくなかった。人気のイラストレーター・中村佑介氏は、とあるユーザーの『プロとなっても悩みや壁に直面することはあるか?』といった疑問に対し、「同じようにあります」とキッパリ。さらに「壁にぶち当たって、悩んで、乗り越える事こそが成長」とし、逆にそういった困難がない場合には、飽きられないように自身で壁を作るようにしているとも答えた。
さらに『スランプに陥ることはあるか?』との疑問に対しては、「プロというのはそんな時も作らなければならない」ということを理由に、ないと回答。ただし、プロではない質問者へのアドバイスとして、「(スランプの時は)しばらく何もしないというのもひとつの手です。格好つけずに胸に手をあてて、今出来ることを」とコメントした。
素朴な疑問から鋭い質問までが勢揃い
この「おしえて! センパイ クリエイター」では、このように現役クリエイターとクリエイターの卵たちによる貴重なやりとりが多数公開されている。正しい答えは1つではないだろうが、クリエイターという仕事を理解する上でのヒントにはなるはずだ。今の自分の悩みや疑問に近い質問を見つけて、ぜひ参考にしてほしい。