保険で名実ともに本物のパートナーになる

結婚は人生の大きな転機。独身の時は「何となく入っていなかった」保険かもしれませんが、結婚して守るべき家庭ができたらきちんと考えてみたいもの。今回は生命保険の柱である「死亡保障」について、保険に詳しいファイナンシャルプランナーの竹下さくらさんにお話を伺いました。

結婚したら、まず受取人をチェック

結婚したら、お互いに入っている生命保険の死亡保障(以下、保険)を確認してみましょう。まずチェックすべきは、保険証券の死亡保険金の受取人。独身時代は親を受取人にしていることが多いですから、夫の保険は妻、妻の保険は夫が受取人になるように名義の書き換え手続きをします。こうすることで、万一の時にパートナーに保険金を残せることになり、名実ともに本物のパートナーとなるのです。

妻の働き方で夫の必要保障額を考える

この段階で保険に入っていないと気がついた場合は、手元に貯蓄がない状況であれば、前向きな保険の加入が安心です。夫の一般的な必要保障額(もしもの時に貯蓄だけでは足りない額を補うために入る保険金額)は、妻の働き方によって違ってきます。

共働きで子供がいないのであれば、必要保障額は夫婦ともに500万円~1,000万円程度で大丈夫です。問題なのは、妻が専業主婦になった時。夫に万一のことがあっても、すぐに働けるとは限らないので、夫の死亡保障を増やします。妻が結婚後にパートや派遣社員になった場合も、同じような状態だと考えて必要保障額を多めにしておく方が賢明でしょう。ちなみに専業主婦の妻の死亡保障も、300万円程度は確保しておきたいもの。考えたくないことですが、お葬式代など、意外と物入りになるからです。

妻の働き方に合わせて、必要保障額を考える

生命保険料を半額にするには?

「保険に入らなくちゃ」と言いつつも、重い腰が上がらない人はやはり多いもの。とりわけ新婚時代は、家財道具を買ったりするなど出費の多い時期でもあります。安い保険料で必要な保障を確保できる保険を、竹下さんに教えていただきました。

定期保険1,000万円・期間10年の月額保険料の額の例(2013年5月現在)

対面販売を主とする大手生保と比べると、健康に自信がある人なら「タバコを吸わず健康状態が良好」といったある一定条件をクリアすると保険料が安くなる保険や、インターネットを通して入る保険などをチョイスした方が、保険料は安くなります。

例えば30歳の男性で、一定条件を満たしていたり、ネットを通じて保険加入すれば、1,000万円の死亡保障を月額1,000円程度で確保することができます。ランチ1回分の値段で、大きな安心を買えるのが保険のいいところ。この機会に、加入を検討してみてはいかがでしょうか?

プロフィール : 竹下 さくら

CFP(R)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。千葉商科大学大学院(会計ファイナンス研究科)客員教授。損害保険会社の火災新種業務部、生命保険会社の引受診査部門を経て、FPとして独立。現在は主に個人のコンサルティングを行う傍ら、講師・執筆活動を行っている。保険分野の主な著書に、『知らないと損をする!間違えない保険選びのツボ』(日経MOOK)、『世界一シンプルな保険選び』(日本文芸社)、『「保険に入ろうかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)、『CFP受験対策問題集<リスクと保険>』(近代セールス社)などがある。

筆者プロフィール : 楢戸 ひかる(ならと ひかる)

1969年生まれ 大手商社勤務を経てフリーライターへ。中学生と小学生の男児3人を育てる主婦でもある。家事生活をブログ「家事マニア」にて毎週火曜日に更新中。