5月28日、Bluetooth SIGは都内で記者会見を開き、グローバルインダストリ&ブランドマーケティングディレクターのErrett Kroeter(エレット・クローター)氏がBluetoothの現状と今後を語った。
Bluetoothデバイスの出荷は年間25億台へと成長
まずBluetooth SIGの構成に関して説明があった。1988年に5社で設立されたBluetooth SIGだが、現在は毎月200社もの加入があり、3月現在で18,000社を超える規模に成長したという(2013年末までに20,000社を超える見込み)。APAC(アジア太平洋)地域では、全体の約1/3となる6,175のメンバーがおり、そのうち中国が2,991、日本が881と多くの企業や団体が参加。
Bluetooth対応デバイスも順調に普及しており、2013年では25億台ものBluetooth対応デバイスが出荷される予定。1999年以降で累計100億台、2018年までに310億まで成長する見込みだという。
Bluetoothの成長に関していえば、例えば2010年から2012年において、オーディオ製品の登録は4.5倍になっており、Bluetooth全体でも79%の成長。まだまだ堅実に伸び続けるということだ。
Bluetooth SIGは35年間で20,000社の加盟会社を抱える見込みで、対応機器も年間25億台と順調な推移 |
APAC(アジア太平洋)地域で約1/3のメンバーを抱える。日本と中国が有力な参加メンバーだという |
Bluetooth対応デバイスの出荷台数も順調に伸び、2018年には年間45億台を超え、総出荷台数も310億台となる見込みだ |
今後の期待分野としてのBLEと「アプセサリ」
新たな成長要因としてBluetooth SIGが期待しているのは、Bluetooth 4.0の一部として導入されたBluetooth Low Enegy(以下、BLE)だ。BLEは、短時間の通信時以外に消費する電力を大幅に抑えるため、通信機会が少ない機器に向く。
BLEという規格に対して、「Bluetooth Smart」や「Bluetooth Smart Ready」は1つのブランドとなり、消費者はロゴによってBLEをサポートしていることを確認できる(Bluetooth SmartおよびBluetooth Smart ReadyはBLEに対応)。Bluetooth Smartを活用すると、まったく新しいジャンルの「アプセサリ」製品ができるという。
Bluetooth SIGの成長要素として期待するのが、BLEとそれを活用した「アプセサリ」だ |
BLEを使ったセンサーデバイスと、ハブとなるPCやタブレット、スマートフォンのようなデバイス。さらにWebサービスでコンシューマ分野に変革をもたらすという |
アプセサリはAccesoryとApplicationを組み合わせた造語で、BLE機器とアプリケーションの融合だ。例えば心拍計センサーとヘルスケアのためのアプリケーションを組み合わせることで、単なる心拍計ではなく、心拍情報をより良く活用できるという。アプセサリは、コンシューマエレクトロニクス、フィットネス、医療、自動車、スマートホームといったジャンルに対して、事業機会を生む次の成長要素として期待がかかっているとのことだ。