シマンテックは、スパムメールの手法として法律の文言を逆手に取るケースが増えていると記事を同社のオフィシャルブログにポストしている。
「仮面をかぶったスパム: スパム対策の法律がスパマーを助長するケース」と題したブログには、サイバー空間では明確な法律が欠如している部分もあり、各国とも法整備が必要と自覚しつつある状態だが、最近では、法律の文言を電子メールに引用する形で逆に信用性を装うものも増えていると警鐘を鳴らしている。
悪用が広く確認されている法律のいくつかを紹介しており、これまでにもっとも悪用されている法律的な記述は米国の「Bill S.1618 Title III」通称「MURK」法案。スパムメールに関連する法案で上下両院で否決されたために制定に至っていないものの、提出された1998年から確認されているという。
ほかにも、アルゼンチンの商用電子メールガイドラインを制定したヘイビアスデータ法、フランスの商用メールに関する法律など広く文言が悪用されている例が掲載されている。スパムメールか正規メールのどちらともつかない「グレーゾーン」のメールも多いが、スパム対策法を引用して、その法律に従ったものであると主張するのは、常套手段の一つであるとして、注意を促している。