パンダの「シンシン」妊娠の可能性で展示中止

上野動物園は6月4日から、妊娠の兆候が見られるメスのジャイアントパンダ、シンシンの展示を中止する。シンシンは3月11日と12日にオスのリーリーとの交尾行動が確認されていた。しかし、偽妊娠の可能性もあり、妊娠が確定したわけではないとのこと。

5月28日の時点で、シンシンの健康状態は良好。体重に目立った変化はないものの、同月23日頃より竹の採食量が減ってきており、食欲減少による休息時間の増加もみられる。また血液中の黄体ホルモン値も上昇傾向にある。現在はパンダ舎の産室に慣れるよう出入りできるようにしたり、リーリーの姿が見えないようシートを貼ったりするなどして環境を整えている。今後は出産に備えて監視カメラを増設予定。

展示再開は未定だが、リーリーは通常通り終日展示を行う。2匹は2005年生まれで共に2011年に来日、シンシンは昨年7月に初めて出産したものの、残念ながら赤ちゃんは6日後に死亡している。

■ジャイアントパンダについて

一般的な体長は140センチメートル前後で、体重はオスが100キログラムから150キログラムほど、メスが80キログラムから120キログラムほど。生まれたての赤ちゃんの場合は体重が100グラムから200グラムほどしかない。

白と黒にはっきりと分かれた模様が特徴で、性成熟するのはオスで7歳前後、メスで4歳前後である。繁殖期は一般的に2月から5月で、発情期間は2週間あるものの受精可能な期間は数日間のみ。妊娠期間は83日から200日ほどと個体によって異なる。

なお、偽妊娠とは、受精しなくても妊娠と同じ生理現象がみられることをいう。症状としてはホルモン値の上昇、乳房の膨張、食欲不振など。出産しない場合はいずれ症状はみられなくなる。

詳細は東京ズーネットを参照のこと。