三菱重工業は28日、LNG(液化天然ガス)関連設備・製品分野の市場開拓に向けた専門組織「LNGプロジェクト室」を、6月1日付でエンジニアリング本部内に新設すると発表した。米国のシェールガス革命などを受けて世界的な高まりを見せるLNG関連製品の需要に機動的に対応するのが狙いといい、同社のLNG関連の要素技術を含めエンジニアリングを横断的に統括して幅広いLNGチェーン(※)の多様なビジネスチャンスを追求する。
※ LNGチェーンは一般的に、天然ガス田開発→LNG液化プラント→LNG運搬船→LNG受入基地のつながりを示す
LNGプロジェクト室は、各種LNG関連プロジェクトの基本計画や技術戦略の立案、およびプロジェクト管理に関する業務を担当。受入基地などのEPC(設計・調達・建設)一括受注も可能な体制を整えていく。
同社はこれまで、LNGの受入基地、貯蔵タンク、LNG運搬船など関連設備・製品を手掛けた実績を有している。最近この分野では、洋上LNG生産・貯蔵・積出施設(F-LNG)などの浮体式設備や中小型プラントなど、求められる設備・製品バリエーションも多彩になってきたことから、専門組織を開設することによって横断的な取りまとめを可能とし、LNGプロジェクト対応要員も増強することにした。
世界的にエネルギー需要が増加するなか、CO2排出量の相対的低さなどから高く評価されてきた天然ガスの重要性が、最近一層高まっている。米国を中心として経済性に優れたシェールガスの開発が進んでいることから、世界各地でLNG関連設備の新設計画や既存設備の改修プロジェクトが活発化している。
同社は、LNGプロジェクト室を通じて、新規参入分野を含めLNG関連設備・製品の需要開拓に注力していくとしている。