鉄道友の会は28日、2013年のブルーリボン賞・ローレル賞の選定車両を発表した。ブルーリボン賞は東京メトロ1000系が受賞し、ローレル賞は「該当車なし」となった。
ブルーリボン賞(1958年制定)・ローレル賞(1961年制定)は、ともに前年中に営業運転に就いた新車および新車と見なせる車両(改造車など)から選定される賞。ブルーリボン賞においては、鉄道友の会会員による投票をもとに、ブルーリボン賞・ローレル賞選考委員会が優秀と認めた車両を選定している。
今年のブルーリボン賞はJR東日本E657系、千葉都市モノレール0形、京阪電気鉄道13000系など7車種が対象車両となり、これらの中から東京メトロ銀座線の新型車両1000系が選ばれた。地下鉄車両はこれまで、2011年の東京メトロ千代田線16000系をはじめ、ローレル賞に選定された車両はあるものの、ブルーリボン賞に選ばれるのは50年以上にわたる歴史の中で初めてだという。
1000系は現在の銀座線の主力車両01系(1985年、ローレル賞に選定)の後継車として、昨年4月より営業運転を開始。操舵台車によって騒音・振動が減少し、永久磁石同期モータ(PMSM)やLED照明の導入で消費電力を抑え、環境負荷を低減した。1927(昭和2)年の開業当時に活躍した1000形車両にちなみ、レトロ調の外観となったのも特徴。今年度より増備が進められ、2016年度までに銀座線の全38編成を1000系で統一する計画だという。
鉄道友の会は同車両に関して、「日本で最初の地下鉄である銀座線特有の厳しい走行環境に対して、走行性能および快適性を新技術により向上させ、あわせて省エネ性も高め、さらに外観は開業当時に在籍した車両をほうふつとさせるものであることなどを高く評価し、2013年のブルーリボン賞に選定しました」と説明している。
一方、ローレル賞は性能・デザイン・製造企画・運用などの諸点に卓越したものがあると認められた車両を選定する賞。今年は26車種が選考対象車両となったが、選考の結果、「該当車なし」に。同賞が選ばれなかったのは1968年、2004年に続いて3度目となる。