ここ数年、食の安全に対して関心が高くなっており、農業の重要性が見直されるようになりました。これまでは家業として、親の代から受け継ぐものという印象だった農業ですが、いまや「農業をしたい」という希望者も増えています。現代的な生活に疲れ、純粋に土いじりに心ひかれる人も多く、家庭菜園やベランダ菜園をするだけに留まらず、農家への転身を希望する若い人も増えているようです。
日本農業検定は、学校で農業を学んでいる人や新しく農業を始めたい人、後継者として農家を継ぎたい人向けの検定です。
■日本農業技術検定とは?
日本農業技術検定とは、全国新規就農相談センターが主宰する検定試験で、農業系の学生や、農業の仕事を希望する人向けのものです。3級・2級・1級の3つのレベルがあり、それぞれ入門レベル・基本レベル・実践レベルのランク付けがされています。学科試験はどのレベルからでも受験できますが、2級・1級には実技試験があり、学科試験の合格と一定の就農期間(例外あり)が必要になります。
■試験の概要
・学科試験の出題範囲
3級
農業基礎(共通)、栽培系・畜産系・食品系・環境系から1科目選択
2級
農業一般(共通)、作物・野菜・花卉(かき)・果樹・畜産・食品から1科目選択
1級
農業一般(共通)、作物・野菜・花卉(かき)・果樹・畜産・食品から1科目選択
・実技試験の受験資格と出題範囲
2級
2級の学科試験に合格していて、就農経験が1年以上ある人。
乗用トラクタ・歩行型トラクタ・刈り払い機・背負い式防除機から2機種を選択し、ほ場で実技試験を行う。協会に認定された講習会や学校の授業を受講することで、免除される場合も。
1級
1級の学科試験に合格していて、2年以上の就農経験がある人。
専門科目から1科目選択し、記述試験を行う。
※1級・2級の受験資格には例外があります。詳しくは公式ホームページへ。
参考サイト:日本農業技術検定 概要
■資格の生かし方は?
学校によっては、農業系学部・学科の入学試験で優遇されたり、優先的に採用する農業法人があるなど、検定に合格することが直接的にメリットとなる場合もあります。もともと農業をする人を育てることを目的とした検定試験なので、合格に向けて勉強すること自体が農業に就く上での知識となるでしょう。