財務省は28日、2012年末の日本の対外資産・負債残高を発表した。それによると、日本政府や企業、個人が海外に保有する資産から負債を差し引いた対外純資産残高は、前年末比11.6%増の296兆3,150億円となり、3年ぶりに過去最高を更新した。増加は2年連続で、円安により外貨建て資産評価額が増加したことが主な要因。
対外資産残高は前年末比13.8%増の661兆9,020億円で、4年連続の増加。国内居住者が保有する対外資産の評価替え等による減少は0.9兆円となったものの、円安の影響で外貨建て資産評価額が49.9兆円増加したほか、居住者による対外資産の取得超が31.4兆円増えた。
対外負債残高は前年末比15.7%増の365兆5,880億円で、3年連続の増加。非居住者による本邦資産の取得超が26.8兆円増、非居住者に保有されている本邦証券の価格上昇に伴う評価替え等が11.4兆円増、円安に伴い外貨建て負債評価額が11.2兆円増となった。