日本郵船は27日、東日本大震災の被災地復興支援の一環として、チリからモアイ像を無償輸送する協力を行ったと発表した。モアイ像は25日に宮城県南三陸町に寄贈され、贈呈式が開催された。式には、モアイ像の制作や寄贈にかかわった関係者らが参列し、日本郵船からは経営委員の吉田芳之氏が出席したという。
南三陸町は、1960年のチリ地震による津波で被災した経験がある。同町は、1990年にチリとの友好と復興のシンボルとしてモアイ像を制作し、公園に設置していたが、東日本大震災の津波で倒壊。震災後、同町を訪れたチリのピニェラ大統領が新たなモアイ像の寄贈を約束し、モアイ像の故郷であるイースター島(チリ)の島民が島の石を使って作成した。
完成したモアイ像(高さ約3メートル、重さ約2トン)は2012年11月、チリ国民の協力の下、バルパライソ港にて日本郵船のコンテナ船「NYK Aquarius」に積載。船旅を終えて日本に到着したモアイ像は、東京と大阪で展示を行い、このたび南三陸町へと移送された。
日本郵政グループは、今後も「モノを運ぶ」という本業を通して社会貢献活動に取り組んでいくとしている。