前回までは「五行」について書きましたが、そもそも五行は「陰陽五行」と言われることが多いんですね。
ではその陰陽とは何か?
今回はその概念について、簡単に説明させていただきます。
「陰陽の成り立ち」
古代の中国の考え方です。
万物の起源である、原始エネルギーは、真気(しんき)と呼ばれるひとつの円で表現されます。
受精していない卵のようなこの状態に、やがて変化が訪れます。
精子が入ることにより、動きが出てきます。ふたつに分かれ、さらには成長する陰と陽の活動の場となります。
陽は文字通り、支配的・積極的な支配力をもったエネルギー、逆に陰は何かを生み出したり、育むといった受容的な性質を持っています。
どちらがいいというものではなく、男と女、太陽と月のように、常に対にあるものに対する概念です。
一般に、一番右の図を、「太極(たいきょく)」などと呼びますが、これは、絶え間なく交代をしながら、成長し、発展していくという陰陽2つのエネルギーについて、表したものです。
「八卦(はっけ)の成り立ち」
易者が、よく「当たるも八卦、当たらぬも八卦」と言うのをマンガやドラマで見聞きしましたよね。あの八卦です。
陰陽は互いに影響しあって、子を生みます。
それがさらに子を生み、八つのエネルギーの基本的な性質が出来ます。
これが中国の「易」の基礎となる八卦です。
乾・兌・離・震・巽・坤・坎・艮・坤
風水では、宇宙のあらゆる現象を、この八卦の性質に照らし合わせて考えます。
そうです。韓国の国旗は、まさに「太極」と「八卦」(のうち主な4つ)からできているわけです。
国旗に使うくらいですから、これらが人々の生活にどれだけ根付いているか、わかるというものですね。
八卦はまた、45度ずつに分けられた、8つの方角を表します。
そしてその並びは、1年・1日といった周期にも関連付けられます。
例えば「震」は、東であり、春であり、朝です(五行を思い出してください。春の色は青でしたね。こんなふうにすべてが結びついているのです)。
また、人は生まれた日、そして男女別によって、この八卦のどれかにタイプ分けされます。
これを本命卦(ほんめいか)といい、中国伝統風水では、人も、住宅も(もちろんオフィスも)、その(代表者の)本命卦を求めた上で、鑑定・調整を行なっていきます。
オフィスなら社長さんの本命卦とオフィスの八卦(これは入り口の向きで決まります)を照らし合わせて、最適な位置取りなどをしていくわけです。
いわゆる易占いの類は、この八卦どうしのすべての組み合わせ、六十四卦で、事象を判断するものです。
風水とは、こういう関係があったんですね。
実におもしろいと思いませんか?
<著者プロフィール>
高木芳紀(たかぎよしのり)
風水オフィスアドバイザー。1971年名古屋生まれ。金沢大学卒業後、商社に就職。繊維、IT、放送関連機器の部署にて営業職を経験後、同社にいた先輩の家業であるアスクル代理店の「株式会社つばめや」に転職。新規事業企画担当兼ウェブマスターとして、主にインターネットを活用したオフィスサプライ通販の独自路線を開拓中。その中でオフィスの効果的なレイアウト手法のひとつとして風水と出会い、「風水オフィスドットコム」を立ち上げる。新たなる癒しの時代、創造の時代のキーワードとして、企業のオフィス作りを支援し続けている。自らに課したテーマは「仕事とオフィスの最適化!」