スマートフォンのカメラ性能の向上は、ライフスタイルを豊かにしてくれることはもちろん、気の置けない友人などとのコミュニケーションツールとして活用の場が広がっているのは、読者の皆さまも実感しているはず。撮影した写真データを"デジタルデータ"として各種SNSで共有する、というスタイルが定着しつつあるなか、あえて"プリント"に着目。アナログな手法でのコミュニケーションを促進させようという、デジタルとアナログの融合を果たす意欲的なプロダクト「Pocket photo」が、LGエレクトロニクス・ジャパンより発表、6月上旬から販売される。
Pocket photoは、バッテリを内蔵した小型のモバイルフォトプリンタ。専用のフォト用紙を使い、フル充電で最大25枚の印刷が可能だ。概要は別記事「LG、どこにでも持ち運べて手軽に印刷できるモバイルフォトプリンタ」を参照いただきたい。ここでは都内で行われた発表会の様子をお伝えしよう。
持ち運べることで用途が広がるモバイルフォトプリンタ
発表会冒頭で登壇したLGエレクトロニクス・ジャパンのマーケティング統括常務 李起旭(リ・キウク)氏は、「本日発表するPocket photoは、皆さまのライフスタイルに、また新たなたのしさをご提供できるプロダクト」と述べ、スーツの内ポケットからスッと「Pocket photo」を取り出して見せ、モビリティの高さをアピール。小型でバッテリ内蔵ということもあり、李氏の述べた新たなたのしさの可能性を感じさせてくれた。
次いで製品説明に登壇したのは、商品企画&マーケティングチームの宇佐美夕佳氏。Pocket photoは重量が212g、そして容量500mAhのリチウムポリマー充電式バッテリを搭載し、フル充電で最大25枚のプリントが可能。接続インタフェースはBluetoothなので、手軽なワイヤレスプリントが行える。
利便性と携帯性に優れており、「じゃあ後で、メールで写真送るね!」という"デジタルならでは"なシェア(共有)と、「今プリントしてあげるね!」という"アナログならでは"なシェアの融合を果たしているのが特徴だ。
というのも、製品開発時に「いつもみんな、スマホで撮影した写真をどう利活用しているのだろうか?」「手軽に写真をプリントできればいいのに」という発想からスタートしたのだそう。すでに韓国では2012年9月に登場したほか、アジアではシンガポールや台湾、ヨーロッパではドイツやポーランドでローンチされており、日本、そしてアメリカにも投入すると意欲的だ。
タッチ&トライで触って使ってみた
そして、会場が一様に盛り上がったのが、待ってましたのタッチ&トライ。Pocket photoの実機とAndroidスマートフォンを用いて、その手軽さや簡便さを体感することができた。
まずはPocket photoをパッケージから取り出す。確かに、先ほど宇佐美氏が語ったように缶コーヒーよりも手に残る感触は少なく、非常に軽い。サイズ的にも幅72.4mm、奥行き120.9mm、高さ24mmとコンパクト。
続いて同梱の専用フォト用紙「ポケットフォトペーパー(ZINKフォトペーパー)」を取り出し、本体にセット。ここまでの手順はとてもカンタン親切で、ユーザーフレンドリーなのは誰にとってもありがたいこと。
下準備が完成したところで、Pocket photo本体の電源をオン。ボタン長押し(約4秒間)で起動させ、今度は用意されていたAndroidスマートフォンを手に取り、専用アプリ「Pocket Photo」を立ち上げる。
「実際に写真を撮影し、まずはプリントしてみてください!」との宇佐美氏のナビゲーションに従いながらプリント。待つことしばし…、たった45秒ほどで、名刺サイズをひと回り小さくした用紙(50mm×76mm)がプリントアウトされた。
「ポケットフォトペーパー(ZINKフォトペーパー)」を本体にセット |
電源ボタンの長押しで起動。起動後はランプが点灯する |
会場のAndroid端末にインストールされていた専用アプリ「Pocket Photo」を起動 |
写真を撮影してプリントしてみた。Bluetoothで快適にデータを転送し…… |
あっという間に印刷完了! このサクサクさはクセになるかも。インスタントカメラとは異なり、1枚の写真を複数枚印刷できるのがいい |
先生役の宇佐美氏が持つのは、実際に専用アプリやその他アプリで加工、プリントアウトしたサンプル |
専用アプリ「Pocket Photo」はAndroid、iOSの両方に対応しており、これらのOSを搭載したスマートフォンユーザーなら誰でも、Pocket Photoの手軽さを味わえる。さらに、色調のコントロールやトリミング、メッセージや連絡先情報の入ったQRコードなど、アプリ上で写真を加工したり、別のアプリで加工した写真であっても印刷できるので、遊び甲斐があるというもの。もちろん、各種SNSでシェアすることも、メールに添付して送ることもでき、ケースバイケースで使い分けられるのも嬉しいポイントだ。
使い方が広がるデジタルとアナログの"いいとこ取り"ガジェット
何かと堅くなりがちな製品発表会の場なれど、その大半をタッチ&トライに費やした今回のPocket photo発表会。この手軽さ、利便性は、確かに触れてみて初めて腑(ふ)に落ちるモノ。例えばお子さんのいるご家庭では、運動会のひとコマを切り取って家族や友人とシェアする、なんていう使い方でたのしめる日も近そうだ。