2013年度も、こうした競争力ある製品の開発や急速な変化への対応をテーマに経営を進めていく方針を平井社長は説明。特に、急速な伸長をみせるスマートフォン・タブレット端末市場に関しては、「変化が速く、スピーディな対応が必要」と語る。

2013年度の基本方針としては、好調なエンタテインメント事業や金融事業の収益力強化、継続的な財務体質の強化のほか、エレクトロニクス事業に関して「モバイル、イメージング関連、ゲームの3つが柱」だという。

2013年度は、拡大するスマートフォン・タブレット端末に引き続き注力

モバイル、イメージング関連、ゲームの3分野をコア事業に育てる

モバイル分野に関しては、前述のXperia Zが好調なこともあり、「ソニーモバイルコミュニケーションズとグループ各社の連携を強化することで、強みを発揮していく」と、スマートフォン分野での成長を見込む。また、イメージング関連に関しては、「センサー事業のリーディングカンパニーとして市場を引っ張ってきたが、旺盛な需要に応えるべく2013年度も積極的な投資を進めていく」と、ソニーが強みを持つ裏面照射型CMOSセンサーなどの他社への提供を引き続き推し進めることを説明。また、自社製のデジタルカメラ製品に関しては、RX1やRX100のような高付加価値のコンパクト機に注力するほか、市場が拡大しているミラーレス一眼ではトップシェアを守る方向で事業を展開する。エレクトロニクス事業の3つめの柱であるゲーム事業に関しては、「PS3とPS Vitaでは売上げと利益の確保に努め、年末にはPS4で攻めに出る」という展望を描いている。

平井社長は、この「モバイル」「イメージング関連」「ゲーム」の3分野を、売上ベースでエレクトロニクス事業の約65%、営業利益ベースで約80%を占める事業に育てる方針だという。

エレクトロニクス事業の柱に据えるモバイル、イメージング、ゲームの各分野における2013年度の基本方針

テレビ事業に関しては2013年度も引き続き、高付加価値化と商品力強化をテーマとして掲げる一方、販売台数は2012年度より伸ばして売上拡大を図る。一方、固定費の削減などにも取り組み、2013年度は黒字化を見込むという。

次のテレビのトレンドとして期待される「4K」に関して平井社長は、「世界各国で放送サービス開始への取り組みが始まっている」と、顕著な消費活動に現れてはいないものの、水面下で4K水深へのムーブメントが起こっていることを説明。「ソニーはカメラからテレビまで、幅広い4K対応機器を提供することで、4K化を支援する」と語った。

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平井社長は会見の最後に、「お客様の心を揺さぶり、世界に先駆けた製品やサービスを提供することが、ソニーの成長につながる」と述べ、「実際に創業以来、ソニーではそれが行われてきたし、それがソニーのDNAだ」と強調した。

テレビ事業では高付加価値化をさらに進め、黒字化を見込む

消費者の心を揺さぶる製品を世に出すことがソニーのDNAだと平井社長は強調