俳優の大沢たかお、女優の松嶋菜々子、三池崇史監督が現地時間の20日(日本時間21日5:30)、第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品された映画『藁の楯 わらのたて』の公式上映に出席し、上映後、会見を開いた。

上映後、スタンディングオベーションを受ける松嶋菜々子(左)、三池崇史監督(中央)、大沢たかお

公式上映の会場となったグランド・ルミエール劇場を訪れた3人は、約2,000人の観客に出迎えられた。上映後は約5分間のスタンディング・オベーションが起こり、カンヌ初体験の大沢と松嶋は感無量の様子。『一命』(2011年)に続いての2回目のコンペティション部門出品となった三池監督は、歓声に応えながらも自ら出口へと向かった。早めに引き上げたことについて三池監督は、「いつまでもいると迷惑かなと」と照れを隠すように言い、「波があるし、拍手にもいろいろな種類があるので、長く薄いよりも濃い方がいいと思うし。映画のタイプによって見方の反応も違うと思いますし、あれぐらいが引き上げ時かなと(笑)」と明かした。

また、海外の批評家たちの反応について、大沢は「日本で受ける取材とニュアンスがかなり違う感じがして面白かったです」と感想を述べ、松嶋は「映画の感想というより日本社会のルールや原理に対しての考え方が(海外は)違うので、映画のディテールに対しても受けとめ方が違うのかなと思いました」と分析。三池監督は、日本映画が海外に進出することについて、「日本映画だから特に意識することはないのかなと」と語り、「海外からどう見られるか、自分ではコントロールできないこと。だから、そこに余計なエネルギーを使うよりも、自分たちなりに作った方が、映画の強さが生まれると思います」と思いを伝えた。

また、レッドカーペットについては、大沢が「自分がまだふわふわしていて、わからないままここに来たという状態です(笑)」、松嶋も「私もあっという間」とそれぞれ初体験のせいか実感が湧かない様子。一方の三池監督も、「終わってみると記憶が飛んでしまう。感触は残っているのですが、不思議な感じ」と語り、「それだけ高揚感があったということだと思います」と振り返っていた。