2012年の熱中症による救急搬送状況(出典/総務省消防庁)

赤穂化成は伊藤園、ノザキクリニックとともに「ミネラル入り麦茶」の熱中症対策における有効性について臨床実験を行い、このほどその結果を発表した。

搬送者数が急増した去年に引き続き今年も注意

総務省消防庁の発表によると、ここ数年で熱中症による救急搬送者数は急増しているという。2012年7月は救急搬送者は2万人を超え、同月としては2008年以降最多を記録した。2013年も暑さによる熱中症の危険性が心配されており、特に体温調節機能が未発達な幼児や、のどの渇きを感じにくくなっている高齢者は注意が必要と言える。

ミネラル入り麦茶は体温を下げる効果が

今回行った研究では、「ミネラル入り麦茶」と「ミネラルウォーター」を飲用した健常な男性4人を対象に実施した。それぞれ飲用前と飲用30分後の体温変化を赤外線熱画像カメラで測定したところ、「ミネラル入り麦茶」を飲んだ被験者の腹部・胸部の体温は1.7℃下がった。

ミネラル入り麦茶を飲んだ場合は、腹部・胸部の体温は1.7℃下がった

さらに、腹部・胸部の体温が下がったが、手先の体温には変化が生じていないことが分かった。このことからミネラル入り麦茶は体幹部の体温を効果的に下げつつも、末端は冷やさないということが明らかとなった。冷え性の人や、冷えが心配な妊娠中の人でも安心して飲用できる。

一方、「ミネラルウォーター」を飲んだ被験者の体温は逆に0.6℃上昇。これはミネラルの作用により、血流が促進されたためだと考えられる。

血液サラサラ効果も期待できる

また、同研究では「ミネラル入り麦茶」を飲むことで「血流さらさら効果」が期待できることも分かった。健常な男性4名が「ミネラル入り麦茶」と2種類の一般的な麦茶を飲んだ後に、一定量の血液が流れる時間を測定したところ、「ミネラル入り麦茶」が最も血液流動性が高い結果となった。

ミネラル入り麦茶を飲用したあとは、血液がサラサラに

「継続的に水分とミネラル補給を」

河村循環器病クリニック院長・河村剛史先生は、「ミネラル入り麦茶には体温を下げる効果のほか、血流を改善させる働きもある。そのため、水分不足による血液のドロドロ状態から起こる心筋梗塞、脳梗塞などを未然に防ぐ手段としても有効」とコメントしている。

また、「熱中症は、めまいや立ちくらみが起こり、大量に汗が出る状態。その対策としては、継続的に水分とミネラルを補給することが大事」と加えている。さらに、熱中症は数日前からの水分不足が原因で発生するので、常日頃から十分な水分とミネラル補給を心がけることが大事だという。