フォルクスワーゲン グループ ジャパンは20日、国立代々木競技場第1体育館にてプレス発表会を行い、7世代目となる新型「ゴルフ」を披露した。
新型「ゴルフ」、ブランドスローガンを体現した「真のクルマ」
会場には第1~6世代のモデルも含め、計30台以上の「ゴルフ」が集結。同社代表取締役社長、庄司茂氏によれば、会場に展示された歴代モデルはすべて、発表会に華を添えるべく、「ゴルフ」を愛好するオーナーたちが持ち込んだ車両だという。そしてステージ上には、新型「ゴルフ」のコミュニケーションカラー、パシフィックブルーメタリックのモデルが。
「先代『ゴルフ』とあまり変わっていないと思われるかもしれません。しかし、じつは『ひとつとして先代モデルと同じパーツはない』と言っていいほど、まったく新しいつくり方を取り入れました」と庄司氏。「MQB(モジュラートランスバースマトリックス)」と呼ばれる新技術を用い、設計思想や生産ラインを根本から見直した初のモデルだという。
庄司氏は新型「ゴルフ」について、「歴代最高の燃費、最高のクオリティ、最高の静粛性と走行性能を持っています」と評価。安全装備も従来のものに加え、「Front Assist Plus」「シティエマージェンシーブレーキ」「プロアクティブ・オキュパント・プロテクション」などを標準搭載し、クラストップレベルを実現したという。「ブランドスローガンの『Das Auto.』は、英訳すると『The Car』。完璧な自動車をめざし、ゴルフのサイズにまとめたこのクルマこそ、『Das Auto.』つまり真のクルマなのです」と庄司氏は述べた。
新旧「ゴルフ」デザイン責任者の"ルーツ"となったクルマは?
発表会では、新型「ゴルフ」(7世代目)のデザインを統括したワルター・デ・シルヴァ氏(フォルクスワーゲンAGグループ デザイン責任者)と、初代「ゴルフ」の生みの親として知られるジョルジェット・ジウジアーロ氏(イタルデザイン)も登壇した。
ワルター・デ・シルヴァ氏は、新型「ゴルフ」のデザインについて、「多くのクルマは新しいものをめざし、変わったもの・違ったものを提案しようとしますが、『ゴルフ』は違います。水平ラインを強調したフロント、強靭なCピラー、完全な美しさを持つボディパネルなど、これまで共有されてきたフォルムを踏襲しています。ジウジアーロ氏が手がけた初代モデルから私のモデルに至るまで、タイムレスなデザインを継承しています」とコメント。
ジウジアーロ氏は初代モデルを手がけた当時を振り返り、「1970年代、フォルクスワーゲンはビートルをモデルチェンジする時期にさしかかっていました。そこで新しいアイデアとして、『1日に一定の台数を生産でき、同時に価格的経済性も両立したモデル』という条件下でのデザイニングとなりました」と語った。この考え方は代々受け継がれているとのことで、「今回の7世代目『ゴルフ』は、そういったものが継承されつつ、テクノロジーの観点ではたいへんな進化を遂げていると思います」と述べた。
トークセッションでは、「フォルクスワーゲン以外で、これまでに最も影響を受けた車は?」との質問も。ワルター・デ・シルヴァ氏が、「シトロエンの『DS19』です。非常にまとまりがあり、いまだ私にとって研究の対象です」と答えると、ジウジアーロ氏も、「同感です。『DS19』のデザインは、私の目をインダストリアルデザインのほうに向けたと思います。いまも真似できない、唯一無二のクルマでした」と評していた。
新型「ゴルフ」は6月25日発売。ラインナップと価格は、「TSI トレンドライン」が249万円、「TSI コンフォートライン」が269万円、「TSIハイライン」が299万円。